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クソ国家 ニッポン  多田富雄の闘い [Ethics]

NHKのドキュメンタリで 世界的な免疫学者多田富雄の現在の姿を放映した。よだれをだらだら流しながら、リハビリにつとめるおのれの姿のTV放映を許可した多田は、英雄である。

NHKドキュメンタリ↓:
http://www.nhk.or.jp/special/onair/051204.html

朝日新聞の本日4/8のコラムで、その多田富雄が、今回の診療報酬改定の非をうったえている。 多田のリハビリは保険対象外になる。リハビリを止めればどうなるか? 寝たきりになり、身体機能は劣化する。身体機能が劣化すればどうなるか。衰弱死である。

朝日新聞、記事↓
http://blog.goo.ne.jp/pkcdelta/e/ff0c48b7a8331b4870f77771f3c4767c

今回の改定は

 障害が180日で回復しなかったら死ね

というのと同じである。

都立病院では約8割の患者がリハビリを受けられなくなってしまうという。

言語療法も多田らは受けている。これも受けられなくなる。子どもの場合は悲惨だ。一生しゃべるな、ということになる。言語を失わずにすむ人間から言語を奪って良いのか?(注1) 人間の尊厳などありはしない。いっておくが、断じて 「ソクインの情」を掛けろ、といっているのではない。 「武士の情け」を求めているのでもない。お情け、ではないのだ。いのちがあり、いきたいとのぞむ人間を生かし、最低限の文化的な生活保証を要求する権利が患者にはあり、国はその生活を保障する義務があると、憲法に規定されている(第13条。憲法中最も重要な章である)。憲法で保証した権利を国民に与えようとしない、義務を遂行しない国家は、国家としての義務を放棄しているのであり、国家とは呼べない。国家の品格ではない、国家の存在価値そのものを多田は問うているのだ。

「今回の改定によって、何人の患者が社会から脱落し、尊厳を失い、命を落とすことになるか。そして一番弱い障害者に「死ね」といわんばかりの制度をつくる国が、どうして「福祉国家」といえるであろうか」 と多田は痛憤する。多田はこれを不自由な左手でパソコンに打ち込んだのだろう。

放っておけば身体も劣化して死に、言語機能も失われよう、という人間が不自由な片手でパソコンに打ち込んで、新聞に投書しているのだ。 これを学者のエゴ、だというのか?(注2) 

いま、誰がニッポンを福祉国家と呼んでいるだろう?
ニッポンは臭い物に蓋、の、クソ国家である。

来週から新学期が学校では始まる。中学校高校の社会科の授業の開始に当たって、先生は、まず、この 多田の意見(私の視点、4/8朝日新聞)を読むことから始めて欲しい。

わたしも切り取って娘に読ませよう。

どこが、愛国心だ。笑ってやれ。
Nation without People.


(注1)4/11
「言語を失わずにすむ人間から言語を奪って良いのか」という文章は、最初、「言語のない人間が人間とよべるか?」であった。今朝、書き換えた。 リハビリ治療を行っている読者からつぎの指摘をいただいたからである:

> でも、「言語のない人間が人間とよべるか?」には、正直愕然としました。

私が言いたいのは次のことである、と返事を書いた:

「治療を加えれば、何らかの言語を操作でき人間らしい生活ができることが分かっているのに、それをしないでおくのは問題だろう、といっているのであり、生まれながらにして言語機能がない人間を抹殺しろ、と言っているのではありません。今回の改定を放置すればその負担のあまり、生まれる前に親が胎内の子供の状態をチェックし(現在の技術なら分かります)、堕胎する、ということをやりだすでしょう」
以上
病気に対する恐怖、病人を家族親族に持つことの恐怖を植え付ける国は断じて文化国家とは言えない。 多田はこのことを言っている。

(注2) 4/10 追記
普通、世界的学者ならその権威を借りた発言として自粛するかも知れないところ、この発言をした多田を私は心から尊敬する。すなわち、肩書きをすべてはずした、イチ人間、イチ国民として発言している。

追記2: 4/10
コッカに多くを期待できぬことはすでに国民も理解しているところだが、この件に関して、全国に何十万いるとも知れぬ医師やリハビリ関連職員は なーーん、にも抗議活動をしないのか? 多田の意見に賛成なのか、反対なのか?Why? 医学部の学生、院生はだまーーているのか?知らないのか? 寂しき事態ではある。 そういえば、メジカルエシクス、とか、バイオエシクスとかいう言葉もあったなあ。。かつて。

追記3;4/11
民主、共産、民社、自民の各党、馬淵議員、亀井静香議員に 改悪反対するよう メールを出した。


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えみる

あたしは、「http」をNGワードに設定しています。訪れてくださる方々にも多少の迷惑をおかけすることにはなるのですが、あたしのブログに残ったスパムコメントをお見せするほうが、もっと申し訳ないので。
by えみる (2006-04-09 16:35) 

古井戸

どういう仕組みなのでしょうか?NGワードとは。
by 古井戸 (2006-04-09 19:20) 

のりぃ

おぉ@。@お顔がチラリと見えますネェ^m^古井戸さま。
>障害が180日で回復しなかったら死ね
マジっすか??こんな改定になるんすか?医療ってなんやねん・・・
by のりぃ (2006-04-14 10:01) 

古井戸

おお!
せいたかのりぃちゃんの古時計♪
医療ってなんやろ? いわゆるひとつの金儲け手段じゃないでしょうか?

この顔、わたしのだと、おもいます?so-netが勝手に入れたのです。
by 古井戸 (2006-04-14 10:18) 

NO NAME

下記、日本の医療制度についての署名活動です。(転送自由)
ご協力いただけると幸いです。

下記ホームページも御参照下さい。
http://craseed.net/

2006年4月の診療報酬改定でリハビリテーションの保険医療制度が大きく変わりました。これまで必要に応じて保険診療できていたリハビリが、原則として発症から最大180日で打ち切られることになりました。これにより、長期のリハビリを要する患者さんの多くが、保険診療の対象外となります。

これまでの保険医療制度改定の流れで、患者さんの負担額が増える流れはありました。しかし、今回はじめて、これまで保険診療できていた患者さんが、保険医療から「切り捨てられる」事態が起こっています。

重症の脳卒中や骨折などの場合、発症後180日を超えてもリハビリで機能回復をはかれる場合は決して少なくありません。また、獲得した機能を維持するためのリハビリも必要です。これらの患者さんは、リハビリを打ち切られるとそれまでに獲得した身体機能の低下などがおこり得ます。

自ら脳卒中後遺症のリハビリに励む著名な免疫学者の多田富雄先生を中心として、この制度に反対する署名活動をはじめました。趣旨をご理解の上、どうぞご協力ください(インターネット上でも署名ができます)。6月24日までです。

http://craseed.net/
---
by NO NAME (2006-06-10 09:24) 

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