独白・畑村洋太郎 失敗学と原発再生への道 [東日本大震災]
福島原発事故調査委員会・ 中間報告書
ダウンロード可能
http://icanps.go.jp/post-1.html
こういう結論にしちまったけど。
正直、これが、日本のメーカとトーデン技術者の実力なんだよな。
電力会社とメーカには俺の教え子がたくさんおり、日立、トーシバ、三菱の役員は俺の同期、先輩、後輩が多い。調査委員にはトーデン、メーカに関与している人間は排除する、という原則だったが。。肝心のおれが、一番怪しいんだよな。本当はムラビトかも。
学生はみんな成績は悪い方じゃなかった。おれも自信を持って社会に送り出したんだが。
想定外、というより、あの程度の設備が実力相応だったんだよな。正直にいえば、あんな地震と津波に耐える設備はおれにも、おれの学生にもできんよ。
つまり、想定外、じゃなく、我が方の実力を越えた事故でした、と正直に告白しよ。原発が無かったらニッポン、困るんじゃし。技術の実力を越えた設備は逆立ちしたってデケンのだからしゃーナイ(と開き直ればえかろう)。文句言うやつはおらんよ。それに、俺、はっきりゆうけど、原発のこと、な~んも知らんのだよ。建屋の回転ドアなら安全なやつを設計してやるけど。
事故発生後のトーデンや政府の指示も対処も、あんなもんだろう。政府もトーデンも、事故は起きない、事故は起きない!と地元に宣伝してきたんだから、避難訓練を毎年やれ!チェルノ並みの事故が起こった場合の疎開先をあらかじめ手配しておけ、とか、汚染物の捨て場所を確保してオケよ!などと地元に厳しく言えんしな。
事故直後の初動に失敗した、ちゅう意見もあるが、人間のやることには失敗はつきもの、というのは畑村テーゼ、やしな。原発は人間の失敗に耐えられない設備やった、ちゅうことやなあ。ということは、原発は。。。地上にあってはならない設備、ということになるなぁ。いや、いや!そりゃまずい!許されぬストーリだッ。断じてッ。。。べつのストーリでいこう。設備設計も、事故後の初動も、みんなそこそこやった、よくやっていた。ちょっと手抜かりはあったけど状況が状況だし。あれ以上は望めん。いやぁ、よく頑張った。メーカも、トーデンも、政府も。。これしか、ないやんか。。
事故は起こるべくして起こった、つ、ことかな。三陸沖の海底でグラリッとプレートが動いたとき、すでに、ジ・エンドだった。。。あれ?どこかで、俺、まちがった? 。。。ま、いいか。元気出していこ。
フクシマ原発の事故後の措置は十分とは言えないが非難するほどでもない、問題なし!。。原発は必要!
。。こういう流れにしておけば、おれも当分、企業や政府、学会でいい顔でける!先輩後輩、教え子を傷つけずに済む!最終報告はこのセンで行くか。これしか、ないやんか。。。
これなら8月までかからんな。新緑の頃、5~6月には最終報告を出せる。
あした、柳田さんに電話しとこう。
まだニッポンには50基も原発あるんだって?つぎの事故はどこで起こるんやろか。いつ事故調査委員会にお呼びがかかっても対応でけるように、俺も体力を維持しておかなきゃーな。事故調査委員会は。。脱出先の海外で開催じゃろうか。。。懲りない電力会社、懲りない政府と業界。。。懲りない、俺。ここは辛抱やで。失敗学は辛抱の学、慈悲の学問。
じつわ、つぎに出す本のタイトルも決めてるんだ(原稿も八割は、でけてる)。最終報告と同時に出版する。
『原発再生への道 --- 懲りないニッポンジンのための失敗学』
いやなことは忘れる、見たくないものは見ない!というのが学者の生き方。。ん?どこかで使うたせりふのような。。。ああ、これでうまい酒が飲める。
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