残菊に [diary]
毎年毎年、歩道脇の、同じ場所に菊が咲き、冬になっても華をつけ、越冬する。まるで年中咲いているかのようだ。
わたくしは、毎年毎年この時期になると、足を止め、じっと見つめ、写真を撮り、愛でてやる。
ことしは、数本切り取って机上に飾った。ドライフラワーのようなもんだからいつまでも、この姿をとどめているだろう。花瓶の菊をよく観察すれば、花の数を上回る数の、大小の蕾を抱え込んでいる。花弁にはお供してきたらしい小さな蜘蛛が動き回っていた。
つまらぬ句をつくってみた。
残菊や年越すものはつよかりき
残菊や過ぎる時間を指先に
残菊を切りて机上に飾るべし
残菊を悲運の我に重ぬべし
残菊は我が忌日にこそふさわしき
残菊の葉と茎と根と花弁と
残菊はうつくし妻に手向けるべし
残菊や過ぎる時間を指先に
残菊を切りて机上に飾るべし
残菊を悲運の我に重ぬべし
残菊は我が忌日にこそふさわしき
残菊の葉と茎と根と花弁と
残菊はうつくし妻に手向けるべし
残菊の西日にこたえて白銀に
残菊は見たり女の涙すを
残菊ぞ蒼き月夜にしずくする
残菊を見下しひとの通り過ぎ
残菊に気づかざることこの一年
残菊は爽やかなりし朝日浴ぶ
残菊を腐臭の街から護るべし
残菊を揺らすものなにもなかるべし
残菊はものいわぬなり復活祭
残菊の孤立無援の生を終う
残菊は見たり女の涙すを
残菊ぞ蒼き月夜にしずくする
残菊を見下しひとの通り過ぎ
残菊に気づかざることこの一年
残菊は爽やかなりし朝日浴ぶ
残菊を腐臭の街から護るべし
残菊を揺らすものなにもなかるべし
残菊はものいわぬなり復活祭
残菊の孤立無援の生を終う
2011-12-27 09:43
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