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原発危機 事故はなぜ深刻化したのか  (NHKスペシャル) [東日本大震災]

NHK総合テレビ
2011年6月5日(日) 午後9時00分~9時58分

シリーズ 原発危機 第1回
事故はなぜ深刻化したのか 

いまだに危機的な状況が続き予断を許さない原発事故。当初の想定を超え、水素爆発やメルトダウンなどが進行し、後手後手の対応の中で、汚染は拡大していった。
なぜ、ここまで事故は深刻化したのか。事故対応にあたった官邸、保安院、原子力安全委員会、そして東京電力はどう動いたのか。
当事者たちの証言と内部資料をもとに徹底検証する。




youtubeにアップされている(直ぐに削除されるだろう。。当分イタチごっこ)。
http://www.youtube.com/watch?v=oIReAtGSodw&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=SiJWKYq8ABU&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=86D3ZJ4zZ1g&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=RvceVZsDz3o


特に新しい情報はないが、東電関係者や政府閣僚の言動が映像になっているから、実際何が発生したのか、が感覚的に分かる。


コメントしたいこと。

1 斑目(安全委員会、委員長)の発言

これは、天災でなく、人災である。。。と、度々この人は発言しているが(番組でも)、人災の責任者のトップに己がいることをどこまで自覚しているのか?


2 同じく斑目の発言

番組後半で「311以後起こったことは無しにして欲しい、無しになればなあ。。」という発言をしている。

違うでしょ? 
311はもっと早く起こればよかったのだ、できればチェルノブイリの直後に。。忘れた頃でなく。もし、311が発生しなかったとしたら、数年後、あるいは数十年後に更に大きな直下型地震が発生、それによる原発大震災が発生、ニッポンは壊滅的な打撃を受ける、となぜ想像しないのか。

311以降福島で起こったことは他の原発では起こらないの?マダラメちゃん。 福島で起こったこと、じゃなく、原発無しにして欲しい、と言えんの? 想像力もってよ、高齢者たちぃ。



3 この番組は、「なぜ深刻化したか」という問いをたてている。この番組は、発生から1週間しか取り上げていない。つまり、ベントが成功するかどうか、が問題になっていた時期だ。しかし、既にこの番組の扱う時間経過の範囲内で、メルトダウンは発生していたのだ。「なぜ深刻化」、もなにもない。グラリ、と三陸沖でプレートが陥没した時点で、深刻なメルトダウンは約束されていたのだ。「なぜ深刻化したか」という問いは、原発の存在自体が既に深刻なのである、という結論をあらかじめ封じたいために立てられたのだろう。NHKらしい。 (6月7日のTBSラジオニュースによれば、東電は情報を修正し、1号機メルトダウンの発生時刻は地震発生から5時間後である、とした)



3月11日、緊急事態が保安員から官邸に通知されたとき(5時30分)、菅首相が党首会談のため原発の措置検討を打ち切り、後回しにした、というこの悠長さには驚くが(これでロスした時間は約2時間)。官邸が異常事態宣言を発したのは7時である。7時からの官邸における東電、内閣の協議にて東電が要請したのは電源車の手配により冷却設備機能を回復することである。50台の電源車が9時以後、福島に集積されたが、電源ケーブルの接続口の不一致、長さの不足により役立たない、と初歩的ミスにより電源をつないだのが午後10時。しかし、発電所側の冷却設備故障により電源が役立たない、とその直後に判明したのである。放送ナレーションは「このとき電源喪失から6時間以上が過ぎていた。国も東電も原発の安全神話にとらわれ、深刻な事故への備えを怠ってきたことが、初動の失敗を招いたのです」と意味不明の解説を加えた。地震から5時間後にメルトダウンは発生していたのである(6月6日、保安院の発表)。
このあと、ベントを実施するかどうかのやりとりが官邸と東電の間で展開される(すでにメルトダウンの発生後、である)。ベント機構の作動が電源停止のためおもうようにいかない、マニュアルに切り替えても担当者の逡巡、とくに、図面を見なければどのような操作にすればいいのか分からない、という状況だったのである。「理想的なベント措置」など元もと無理であったのだ。

そもそも、「ベント措置」をとることを決定した時点で東電社員は驚愕し「ああ、これ会社(東電)は終わったな。。」と思ったと述べている。それほどの緊急措置(メルトダウンを防ぐためのゆいつの措置)ならば、内閣の指示を仰ぐことなく実施すべきである(しかし、実施できなかった)。時刻は真夜中、その時点で住民を避難させることが出来たか。

フェールセーフが全く機能しない、ということは織り込み済み、<想定内>の原発システムであったのだ。津波でなくても電源が取り込めない、というのは想定内の事象であるはずである。

3月13日、炉心の空焚き状態が数時間後に発生する、というシミュレーションを前にしたときの吉田所長の沈黙。吉田は東電社員に撤退を行うよう指示した。炉心爆発を覚悟した。


3月15日早朝、5時半、菅首相は東電本社に乗り込んで吠えた:
「おまえらふざけるな。
このまま放置したらどんな事態になるか分かっているはずだ。
撤退は許されない。
60歳以上の人間は現場に行って自分たちでやる覚悟をもて」


60歳以上の東電OB、原発従事者OBは多数いるはずだ。いま、何をしているのだろうか?



福島で起こったことは他の原発でも発生しうるのだ。依然として、原発推進を支持する住民が過半数を占めているのだからクルっておるね、ニッポンは。

このシリーズ番組、最終回では、「菅退陣を迫るハイエナ議員どもが狙う利権とは何か」に迫って欲しい。復興利権、原発利権に群がる極悪人ども、見て見ぬふりをするマスゴミ。TBSラジヲ報道によると、菅首相に対する不信任決議案を否決された二日の夜、小澤支持派は連れだってカラオケに興じたという。まったくバカ共の狂態には開いた口がふさがらぬ。何の職務も果たしていない国会議員がカラオケに狂うニッポン。キチガイ沙汰である。
##
雑誌『世界』6月号に、小出裕章 が寄せたメッセージを掲げておく:
 
 原子力発電とは、ウランの核分裂反応を利用した蒸気機関である。今日標準的になった100万kWといわれる原発では1年間に1トンのウランを核分裂させる。広島原爆で核分裂したウランは800gであったから、優に1000倍を超える。原発は機械であり、事故を起こさない機械はない。原発を動かしているのは人間で、間違いを犯さない人間はいない。電気を多量に消費するのは都会だが、万一の事故のことを考えれば、原発を都会に立てることはできなかった。そこで、原発は過疎地に押し付けられ、厖大な電気を使う豊かな生活のためには「必要悪」と言われてきた。私は40年間、いつか破局的な事故が起きると警告してきた。何とか破局的な事故が起きる前に原発を止めたいと願って来た。しかし、福島原発事故は起きてしまった。現在進行中の事故を収束に向かわせるため、今後、多くの作業員が被曝する。周辺の多くの人々も、歴史を刻んできた土地を捨てて避難するか、被曝を覚悟で住み続けるか選択するしかない。それを思うと、言葉にできない無念さがある。
 これほどの悲劇を前にまだ原発が運転され続けていることを、信じがたい気持ちで私は眺める。世論調査では、停電すると困るので原発は必要とする人が多数いると言う。もし、享楽的生活を続けるために電気が必要と言うのであれば、原発は是非都会に作って欲しい。それができないのであれば、電気が足りようと足りまいと原発は即刻全廃すべきものと私は思う。
小出裕章 (京都大学原子炉実験所)

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まる

正論だけど、電力を必要とするのは一般市民よりも工場などの企業なわけで、そのあたりはどう解決するのでしょう?

原発をすべて廃止すれば、25万人近い失業者が生まれます。

原発が問題なのではなく、安全を過信、軽視してきたことが問題なんじゃないでしょうか?

沖縄の米軍基地問題と一緒で、危険なのは困るが、徹底も困るというズブズブなところに問題があるのではないでしょうか?

東京のために地方が泥をかぶるという考えはいかがなものでしょうか?



by まる (2011-07-31 21:05) 

古井戸

ちょっと意味不明の反論ですな。反論する気もないのでしょうが。

原発はシステムとは呼べない腐りシステム、ですよ。そのへんはご理解いただいているとおもいますが。廃棄燃料の処分方法さえ決まっていない、というより処分等もともとできない。10万年以上も放射性物質を放出し続ける。それにはほおかむり、こんなのはシステムとは呼べない(もっとも、その間に列島が消えて亡くなっていたり人類が滅亡していればこんなハナシもしないで済むが)。

ではガソリンや瓦斯に切り替える?あるいは潮流、地熱、風力その他の自然エネルギに切り替えるか。すでに消費電力にはかげりが来ています。

そもそも、電力を使って産業を維持しなければ維持できないのは現在の資本主義文化、だけです。その文化を維持しなければならない、という命題を疑わなければ何も始まらない。つまり、近代の取ってきたコースが誤っていたのじゃないか、という疑いから始めねば。

それを疑わねば、滅びの道をまっしぐら、という可能性もある、ということを知ったわけです。まあ、そんなのシッタコッチャない、観たくない聴きたくない、という人々が多いことはわかりますが。

1>原発をすべて廃止すれば、25万人近い失業者が生まれます。

2>原発が問題なのではなく、安全を過信、軽視してきたことが問題なんじゃないでしょうか?

中学生に対する問題ですね。公民の時間。

1 もともと存在すべきでない原発の抱えてきた労働者です。失業せざるを得ないでしょ?失業者対策?(自然エネルギ産業に転換するとか、手はいくらでもあります。日本以外の国々の政府にメールで尋ねたらいかが)時代の転換期にはいくらでもあるハナシです。終戦後、軍人は全員失業したのです。

2 原発が問題なのではなく。。。

原発をご存じないようです。本質危険、をかかえた構築物なのですよ。でないのなら、なぜ、都会に建設してはならない、過疎地に建設すべし、という原子力委員会の命令があるのでしょうか。福島でシッカリ学んだと思ったのだが。。

存在自体が危険なのです。
上述の如く使用済み燃料の処分も英仏に馬鹿高い金を払って処分させ、核兵器材料となる莫大な量のプルトニウムを列島に蓄積するに至っている(核武装の可能性を捨てたくないという一派の魂胆です)。

by 古井戸 (2011-08-30 15:38) 

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