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日本売りに狂奔する官僚たち [Politics]

民主党政権を葬り去りたいのは誰か?菅政権が脆くも崩れるのを小躍りして歓ぶ官僚と財界(東電)、彼らに操られる売国ハイエナ議員ども。原発災害の調査報告を政府が選任した調査委員会が作成するという。原発災害は人災であり、東電と政府が被告席につくべきである。被告が自らを裁けるか?裁けない。調査委員会は責任者を暴くのを目的としない、と最初から自主規制している。民主国であれば、国会が企業と政府から責任者を証人喚問し、彼らの原発推進策を過去に遡って検証するのが国民の付託した職務であるのに、何の行動も取ろうとはせず、利権争いに狂奔している。国家が亡ぼうとする事態を前にしても官僚と企業、利権政治屋は生き残ろうとする--- 末期的現象である。



雑誌『世界』(2011年7月号) に編集長・岡本 厚が編集後記を書いている。全文を引用する。


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 5月4日付朝日新聞が報じた「ウィキリークス」公開の米外交公電によると、普天間基地の移転問題について、09年の民主政権発足後、米政府高官に対して、外務・防衛官僚らが「あまり早期に柔軟さを見せるべきではない」「民主党政権に対し過度に妥協的であるべきでない」などと数回に亘って助言していたことが分かった (本号佐藤 学氏、メディア批評)。
 事実であれば、普天間基地の辺野古への移設にこだわる米政府の、棒を呑んだような姿勢の背後に、日本の官僚のこうした助言があったということになる。
 自民党政権時代にも、自衛隊の制服組は、自分たちのほしい高価な兵器や多大な財政的負担を伴う防衛力整備計画などについて、米国政府から日本政府に要求させる手法をとっていたと言われる。
 外務省の斎木昭隆アジア大洋州局長 (当時) は、09年9月18日、訪日したキャンベル国務次官補に対し、日米対等を標榜する民主党政権について、「愚か」と批判し「やがて彼らも学ぶだろう」などと述べたという
 ここに、端無くも日本の政治の仕組みが垣間見えた。主権者である国民の意思によって政権交代がなされ、国民に約束した政策転換がなされようとした時、実務を担うべき官僚が、「愚か」としてこれに従わない姿勢を示したのである。日米関係ではなく、実は「日・日関係」であったのだ。
 ここで私たちは、この国の主権者は誰であり、誰が国の政策を考え決定するのか、という深刻な問いにぶつかる。何のために選挙があり、国会があり、内閣があり、そして首相がいるのか。
 政治主導を掲げた民主党は、こうした問いに答えを出す責務がある筈だ。ところが、何かを「学んで」しまったらしいこの党は、対米追従と官僚主導に戻ってしまった。その結果が、沖縄の民意の拒絶による普天間移設の完全な立ち往生である。「愚か」なのはどちらだったのか。
 菅政権に対する国民の不信と不人気は、政権のこうした不可解な転換と旧政権への逆行にある。4月号本欄でも書いたが、鳩山・小沢政権に対する官僚の総攻撃が、昨年初めの特捜検察による異例の小沢捜査ではなかったか。
 福島原発事故を引き起こした原子力政策についても、外交と同様、日本の統治の仕組みが深くかかわっている。東電という一企業のなしえたことではない。本号特集、飯田、田中、海渡氏他の各論文が言う通り、一旦「国策」として回転し始めると、行政優位の利益共同体が生まれ、異論は排除され、チェック体制は骨抜きとなる。「安全だから安全」という神話の下、安全対策も疎かになり、司法も役に立たない。「国策」に逆らおうとすれば、検察が牙をむく
 つまり、日本は民主主義ではないということである
国民が主権者であり、国の方向を決められるのが民主主義である。政策の結果に責任を負わない官僚が、政策の決定者であってはならないのだ。
 福島事故は、もはや取り返しようのない、破局というべき事態である。
この事態をもたらした、それまでの政治のあり方、国の統治構造を、根本的に変えなければならない。その意味では、福島事故は「8.15」に匹敵する。

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wikipediaから

ウィキリークスは2011年5月、齋木がアジア大洋州局長時代の2009年9月にアメリカ合衆国国務次官補カート・キャンベルとおこなった会談にて、次のような発言をおこなったとする在日アメリカ大使館発の公電の内容を公開した。

  • 公電は、当時の民主党政権(鳩山由紀夫内閣)が「対等な日米関係」を唱えていたことについて、齋木が「すでに対等なのに、鳩山総理岡田外務大臣が何を考えているのかわからない」と述べたとしている[1]。また、「与党経験のない民主党は官僚をコントロール下に置き、アメリカに挑戦する新しい大胆な外交政策を打ち出すイメージの必要性を感じたのだ」としたうえで、「そのような考え方は馬鹿げたもので、学ぶことになるだろう」とも発言したとしている[1]
 


 

外務・防衛官僚の対米隷属体質暴いたウィキリークス

http://gendai.net/articles/view/syakai/130334

【政治・経済】

2011年5月9日 掲載

鳩山政権はかくして潰された

 内部告発サイト「ウィキリークス」で、日米間の最新の公電文書が次々とバクロされ、注目を集めている。そこであらためて分かったのは米国ベッタリで“暗躍”する防衛・外務官僚の姿だ。大マスコミは詳しく報じていないが、沖縄・普天間基地移設問題をめぐるやりとりでは、束になって「鳩山前首相潰し」をもくろむ官僚のロコツな発言が生々しく出てくる。
 例えば、高見沢将林・防衛政策局長は09年10月12日、キャンベル国務次官補との昼食会で、普天間基地県外移転を模索する鳩山政権の方針について「米側が早期に柔軟さを見せるべきではない」と発言。県外阻止の姿勢を鮮明にしろと助言していたから驚く。
 一方、藪中三十二・外務事務次官は09年12月21日のルース大使との昼食会で「いまは政治的な過渡期。(普天間問題では)日米がより非公式な形で対話を進めるほうが、公式的な協議の枠組みを定めるより望ましい」として、政治家そっちのけで勝手に協議を提案。藪中は「世論一般やメディアの一部は安全保障問題をよく理解していない。テレビのコメンテーターや政治家たちを教育することに価値があるかも」とも指摘し、人気のあるテレビコメンテーターを挙げたという。薄っぺらな薄汚い発想だ。
 このほか、09年11月27日付の公電では、核密約調査を進める民主党政権に懸念を示す在日米国大使館のズムワルト首席公使に対し、梅本和義・北米局長が「普天間問題より悩ましい問題。鳩山政権は、調査がもたらす影響を理解していない」などと、これまた米国寄りの姿勢を強調していた。
 日本の税金で給料をもらいながら、平気で時の首相を米国に売り渡す感覚。コイツら本当に日本人なのか。それともスパイなのか。
 
########## 関連情報
●ブログ引用:
2011年5月10日火曜日
外交公電暴露/政府に交渉の資格なし 許せぬ はじめから裏切っていた
http://nandeya-nen.blogspot.com/2011/05/blog-post_10.html


「普天間飛行場の移転問題をめぐる日米両政府のやりとりが暴露された。
米高官におもねる日本の政治家と官僚たちがいる。
日米交渉の舞台裏では、国民との約束より米政府の意向に沿おうとする外交が貫かれる。」

(沖縄タイムス)


はじめから、国民を裏切っていた。


各紙社説
朝日新聞)ウィキ米公電―日本外交の病理あらわ(5/5)
沖縄タイムス) [普天間秘密公電]米におもねる日本外交(5/7)
琉球新報)外交公電暴露/政府に交渉の資格なし 体制一新し仕切り直しを(5/5)
北海道新聞)米外交公電 日本政府はまず説明を(5/8)





朝日新聞 2011年5月5日(木)付 
社説:ウィキ米公電―日本外交の病理あらわ
 ふつうは25年間とか一定期間を経て、審査の上で公開される政府の内部文書が、同時進行的に表に出る。アフガニスタン戦争や米外交をめぐり、衝撃的事実を明らかにしてきた内部告発サイト「ウィキリークス」の波が、日本外交に及んだ。
 朝日新聞社が同サイトから提供を受けた7千点近い米外交公電は、主に2006年から10年初頭までの日米関係の裏面に光を当てている。自民党政権末期から、民主党の鳩山由紀夫政権時代にかけての時期である。
 米軍普天間飛行場移設先として「最低でも県外」と公約していた鳩山政権は、09年末から10年初めにかけ、代替案がうまくいかないなら現行案通り進めると米側にひそかに伝えていた。鳩山首相が方針撤回を明言する半年前である。
 外交交渉はすべてを公開できるものではないが、大方針を偽るのは国民への裏切りであり、許されることではあるまい。
 民主党政権の発足直後、外務・防衛官僚は、米側に「あまり早期に柔軟さを見せるべきではない」などと助言していた。
 異論があれば、まず自国の政権に意見を具申するのが筋だろう。交渉相手と裏で通じて新政権に対処しようというのでは、官僚の役割をはき違えている。
 不明朗な動きは、民主党政権だけではない。自公政権時代にも、米海兵隊のグアム移転の関連費用について、日本側の負担割合を見かけ上減らすために、関連費用を水増しすることを日米間で認めていた。
 すぐさま公開を予定した文書ではない分、内容は赤裸々だ。米国の解釈であり、米側に都合の悪いことは隠されているかもしれない。しかし、片言にとらわれずに全体を読めば、日本外交の病理ともいうべき体質があらわに浮かび上がる。
 それは、政治家や官僚が既定方針や自分たちの利害を守るために、その場しのぎの対応を繰り返していたということだ。
 何が国民の利益かを考える一貫した視座は、そこにはない。強いていえば、すべてを貫くのは対米配慮である。
 しかも、お互いに不信を抱えている日本側のプレーヤーたちが、米当局者に対しては比較的あけすけに内情を話している。驚きを超えてあきれてしまう。
 寒々しい風景だが、これが私たちの現在位置ならば、それを直視することから、外交を立て直さねばなるまい。民主党政権や外交当局、自民党はこの公電に描かれた現況をどう見るのか。まずはそこから議論を始める必要がある。


沖縄タイムス 2011年5月7日 09時33分
社説:[普天間秘密公電]米におもねる日本外交
政治
 普天間飛行場の移転問題をめぐる日米両政府のやりとりが暴露された。米高官におもねる日本の政治家と官僚たちがいる。日米交渉の舞台裏では、国民との約束より米政府の意向に沿おうとする外交が貫かれる。
 明らかになった公電は、政権交代後の普天間問題をめぐり、民主党幹部や外務・防衛官僚が米政府担当者らに語った内容だ。ワシントンなどに報告されている。
 「最低でも県外」と公約した鳩山由紀夫前首相が就任した直後に政府高官らは米担当者に名護市辺野古の現行案推進を伝えている。公約と真逆の裏交渉を進めるやり方は、国民不在もはなはだしい。
 沖縄の民意は取るに足らない、というニュアンスも公電に読み取れる。それが日本政府の沖縄政策なのか。
 公電によると、長島昭久防衛政務官(当時)は2009年10月12日、キャンベル国務次官補らと会談した際、北沢俊美防衛大臣が普天間を名護市辺野古へ移設する現行案を支持している、と説明した。
 その直後に長島氏がいない昼食会で、高見沢将林防衛政策局長は「長島氏は省内会議で現行案に厳しく質問する。民主党政権が喜ぶような柔軟な姿勢をあまり早期に見せるべきではない」とキャンベル氏らにアドバイスした。
 首相公約を無視して防衛政務官が「現行案支持」を耳打ちすると、官僚は裏で「譲歩するな」と米側に強行路線を促す。
 米国には、意思のない同盟国に映るはずだ。
 公電に見る対米交渉はひとつの断片にすぎないだろうが、政策を決めて、外交で駆け引きできる国ではないことをあらためて思い知る。
 そんな政策不在を嘆く以上に沖縄にとって深刻なのは、政権交代後も沖縄の民意を無視しても県内移設を進めるという意向が米側に繰り返し伝えられていることだ。
 山岡賢次国対委員長(当時)は09年12月、東京の米大使館担当者と会い、「沖縄の政治は反対のための反対」「もしその民意が尊重されたら何も進まない」と述べ、政府が方針を決めれば沖縄の政治問題は取るに足らないとの見解を示した。翌月の名護市長選を意識した発言だった。
 同市長選の直後、松野頼久官房副長官(当時)は米大使館担当者に、「鳩山政権と沖縄側との作業部会が県外を模索するのは『形の上だけ』」「安保は一地域の政治に左右されない」と語った。
 政府が沖縄に向ける冷徹な素顔だ。
 しかし私たちが問うのは基地配置は外交・防衛問題かどうかだ。なぜ海兵隊の本土配備は検討されないのか。
 ラムズフェルド前国防長官は本紙インタビューで、基地提供は日本の国内問題だと言明した。海兵隊駐留の必要性を国民に説明し、その配置先を国内で調整すればいい。
 政策を持ち得ない政治家と官僚が互いにけん制し合いながら、米担当者には進んで本音を明かしている。
 沖縄問題を取り巻く環境は極めて厳しい。




琉球新報 2011年5月5日
社説:外交公電暴露/政府に交渉の資格なし 体制一新し仕切り直しを
 内部告発サイト・ウィキリークスが日米関係に関する米外交公電を暴露した。結果、浮かび上がったのは、日本政府には外交交渉の能力も資格もないということだ。
 米軍普天間飛行場をめぐる2009年10月12日の日米協議が象徴的だ。移設先について「最低でも県外」と述べた鳩山由紀夫氏が首相に就いて初の正式交渉だったが、この場で防衛省の高見沢将林防衛政策局長は「米政府はあまり早計に柔軟さを見せるべきではない」と述べている。
 しかも長島昭久防衛政務官が席を外した場でのことだ。選挙の洗礼を経た政治家を飛び越え、官僚が、有権者から託された民意と正反対のことを述べている。
官僚益が民意に優先
 同じ年の12月、国連代表部参事官ら外務官僚が米側に話した内容はもっと直接的だ。「米政府は民主党政権に対し過度に妥協的であるべきではなく(辺野古移設を定めた)ロードマップについて譲歩の意思があると誤解される危険を冒すべきでない」と述べている。
 移設先見直しを掲げた政党を、自国の国民が選んだ。これから日米双方がそれぞれの国益を追求し、ぎりぎりの交渉が始まる。そんな局面で、身内の外務官僚が米側に「妥協するな」と言うとは、「利敵行為」も甚だしい。
 民主党の政権獲得間違いなし、といわれたその年の総選挙直前、日米両政府は辺野古移設をあらためてうたうグアム移転協定を交わした。在日米大使館はこう記す。「日本側当局者の考えでは、協定締結で、政権交代があっても日本側のロードマップへの関与は揺るぎないものとなる」。つまり交代後の政権に足かせをはめるのが狙いだと官僚が言っているのだ。
 移設先変更をなぜ官僚が妨害するのか。考えられるのは、官僚の自己保身である。
 政府が従来、説明してきた「移設先は沖縄県内しかない」という結論がひっくり返されると、交渉に当たってきた官僚の無能ぶりが明らかになる。それを恐れたが故の言動。そう捉えるのは、うがち過ぎだろうか。
 いずれにせよ政治家よりも政治家に託した有権者の民意よりも、官僚益が優先することになる。まるで官僚が統制する全体主義国家だ。
 日本は民主主義国のはずだ。民意を実現しようとせず、他国にこびへつらうばかりの官僚たちは、外交交渉に適格性を欠くと言わざるを得ない。
 一方、政治家たちのありようにも疑問が湧く。
 09年12月、前原誠司外相(当時)は米大使にこう述べた。「代替案に米国が賛成しなければ、民主党は現行の再編計画を進め、必要なら黄金連休後に連立を解消する用意がある」。本格的な、丁々発止の激しい交渉もせず、新たな案の提示すらする前に、現行案が結論と早々と示す。外交的敗北は明らか、それも不戦敗に等しい。何と拙劣な交渉だろうか。
「県外」はポーズ
 翌月には松野頼久官房副長官(当時)が米公使にこう話す。「鳩山首相と(日米閣僚級)作業部会は、形の上だけは『県外』を検討しなければならないが、唯一現実的な選択肢は、キャンプ・シュワブか、ほかの(県内の)既存施設に移すことだ」。
 国民の見えないところで「県外」はポーズにすぎないと相手にこっそり伝える。何と醜悪な姿だろう。他国にこびるあまり、自国の国民を平然と裏切る人間に、外交交渉をする資格などない。
 民主党だけではない。自民党の政治家も同様だ。公電によると、07年、小池百合子防衛相(当時)は辺野古移設案の滑走路沖合移動を仲井真弘多知事に約束した。メア在沖米総領事(同)がただすと、「09年には違う政権ができているから、われわれが(知事に)何を約束したかは問題にならない」と返答したとされる。
 後世に責任を負わない無責任な言動だ。小池氏がどう申し開きしようと、相手にそう受け取られ、本国に打電された段階で失格だと言えよう。
 文書に登場する官僚や政治家たちに外交交渉を任せ続けるとどうなるか。この国は事実上、米国の属国として世界史に刻まれるのではないか。21世紀に持続可能な日米関係の構築は、もはや彼らには任せられない。今後の交渉は外務・防衛官僚も政治家も一新して仕切り直すべきだ。


北海道新聞 2011年5月8日
社説:米外交公電 日本政府はまず説明を(5月8日)
 これが事実だとすれば看過できない。
 内部告発サイト「ウィキリークス」が公表した米外交公電である。沖縄の米軍普天間基地移設に絡む海兵隊のグアム移転費用が水増しされていたなどという内容だ。
 菅直人首相はこれらの公電について「コメントすべきでない」としている。しかし、国民の税金の使われ方に関わる問題だ。日米両政府には、しっかりとした説明を求めたい。
 問題の公電によると、2006年4月の日米交渉で、必要のないグアムでの道路建設費10億ドル(約800億円)が再編費用に盛り込まれた。
 さらに海兵隊員の移転対象は定数1万8千人のうち8千人とされたが、実際は大きく定数割れしており、移転の実数もこれを下回るという。
 このような水増しが行われていたならゆゆしきことだ。
 当時日米間ではグアム移転費用の負担割合が焦点となっていた。92億ドルだった総額が10億ドルの水増しにより日本側の「負担比率」は66%から60%以下に抑えられる。日本国内の反発をかわす意図が透けて見える。
 海兵隊の移転人員水増しは辺野古移設に強く抵抗する沖縄の負担軽減をアピールする狙いがあったのだろうが、まやかしは認められない。
 この日米合意は自民、公明両党の連立政権下で結ばれた。国民の目を欺く形で普天間基地の移設を進めようとしていたのであれば、合意の正当性そのものが疑われる。自公両党は公電の真偽を明確にすべきだ。
 民主党の責任も大きい。自公政権の不透明な政治を変えることが、政権交代の大義だったはずだ。自ら調査に乗り出すべきだ。
 もう一つ見逃せないのは、鳩山由紀夫前首相が米側に示した辺野古移設案についての姿勢である。
 鳩山氏は「県外移設」を前面に出すことで沖縄県民だけでなく全国の有権者の支持を集めた。ところが公電によると、国内には「県外」と言い続けながら、米側には新たな移設先が見つからなければ辺野古移設案に立ち戻ると確認していたという。
 鳩山氏は事実関係を否定しているが、結局、辺野古移設を明記した日米共同声明で決着した。これでは二枚舌と言われても仕方あるまい。
 いま日米間では、近く開かれる外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)に向けて、滑走路の形状などを含め移設計画の最終調整が行われている。
 だが肝心の日米合意の土台が揺らぐようでは、沖縄はもとより国民の信頼はとても得られない。首相は事実関係について明らかにすべきだ。国会で日米合意の経緯を徹底的に検証することも必要である。




=2011/05/08付 西日本新聞朝刊=
社説:海兵隊移転費 返還「密約」と同じ構図だ
 暴露された米公電が事実だとすれば、国民に「ウソ」の説明をして協定を結んだ40年前の沖縄返還交渉時の「密約」と同じ構図である。
 日米両政府が2006年5月に合意した在沖縄米海兵隊のグアム移転計画作成時に、日本側の費用負担比率を実際より低く見せるため、移転費総額を「水増し」していた、というのである。両政府とも、この措置を了承していたという。
 告発サイト「ウィキリークス」が公表した、08年12月に在日米大使館が米国務省に宛てた公電で明らかになった。
 海兵隊グアム移転計画について、公電はこう述べている。移転計画に盛り込まれたグアムの軍用道路建設は「絶対的に必要なものとは考えていない」。
 そして、建設費10億ドル(800億円)を計上した理由について「移転費用全体を膨らませることで、日本の負担比率を減らすことができる」と報告している。
 直接的な表現こそないが、日本の国内事情を考慮し、日本側が受け入れやすいように日本の負担比率を下げる必要があった。そのために、必要でない道路建設費を計上したということだろう。
 日本側が日米交渉で合意した負担額は61億ドル(4800億円)だ。当初計画された移転費総額92億ドル(7360億円)の約3分の2に上る。
 しかも、国内の米軍施設の整備費の負担ではない。同盟国の米軍用とはいえ、海外の外国軍施設の整備費用を日本が負担する法的根拠はない。
 その費用の3分の2も負担するのでは国民の理解は得られまい。当時の自公政権は、そう判断したのだろう。
 総額を10億ドル水増しすることで、日本側の負担を59%に抑えたうえで、09年2月に費用負担割合に関する異例の政府間協定まで結び、政権交代直前の国会審議で協定承認案を衆院で可決した。
 政府間で協定を締結して法的不備を補ったつもりだろうが、姑息(こそく)である。
 百歩譲って、移転費水増しや協定締結が、沖縄の基地負担軽減促進に欠かせない「同盟の対価」だったとしても、巨額の税金支出である。政府は国民に実態を説明し、理解を求める必要がある。
 負担額の算定根拠も示さず、日米の負担割合を定めた協定が先行する不明朗さに、私たちが2年前、繰り返し異議を唱えたのも今回、暴露されたような「密約」があり得ることを危惧したからだ。
 海兵隊のグアム移転をめぐり、米公電で明らかになった「水増し」は移転費用だけではない。
 移転対象の海兵隊員についても、公式に説明されている兵員8千人と家族9千人は実数でなく「日本での政治的効果を上げるための上限を示した」ものであることも明らかになった。
 自公政権時代の「密約」ではあろうが、引き継いだ民主党政権は、実態を知る外務省に事実を説明させる必要がある。怠れば、国民の外交不信がまた募る。




●2011年05月06日
http://milfled.seesaa.net/article/199421605.html

【普天間】 「鳩山総理大臣は移設先見つからなければ、辺野古移設案に戻すことを約束した」 米の外交文書が明らかに
■辺野古移設 “米と約束”文書(NHK)

引用ここから~~~~~~~~
沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題を巡り、おととし、日本政府がアメリカに対し、新たな移設先が見つからなければ、名護市辺野古に建設する従来の案に戻すことを約束したとする、アメリカ政府の外交文書が明らかになりました。

これは、政府の内部文書などをインターネット上に掲載している「ウィキリークス」が、東京のアメリカ大使館が作成して本国に送った外交文書だとして4日に公表したものです。それによりますと、おととしの12月21日、当時の薮中外務次官がアメリカのルース駐日大使に対して、「鳩山総理大臣は、クリントン国務長官と数日前に会談した際、普天間基地の新たな移設先が見つからなければ、名護市辺野古に建設する従来の案に戻すことを約束した」と述べたということです。さらに、その10日ほど前の12月9日、当時の前原国土交通大臣がルース大使と会談した際、「新たな移設先が見つからなければ従来の案に戻すという考えに、社民党や国民新党が同意しなければ、両党との連立を解消する用意があると述べた」としています。アメリカ軍普天間基地の移設問題を巡って、当時、日本政府は、新たな移設先の本格的な検討に着手したばかりで、鳩山総理大臣は、地元の沖縄に対しては、県外を含む新たな移設先を検討すると説明していながら、アメリカに対しては従来の案に戻す可能性を伝えていたとする外交文書が明らかになったことで、沖縄などから反発の声が上がることが予想されます。

~~~~~~~~引用ここまで




http://blogs.yahoo.co.jp/tokocitizen_c14/38109782.html
『メディア展望』2011年6月号 {メディア談話室}
 特ダネとメディアの「公正」
藤田博司
 競争の厳しいジャーナリズムの世界で、競争相手の特ダネに拍手を送るなどということはまずない。フェアプレーの精神とは縁が薄い。しかしそれがあまりに露骨になると、ただでさえ揺らぎがちなメディアへの信用が一層傷つく。しかもそれで迷惑をこうむるのが読者、視聴者だとなると、みみっちい業界の内輪話ではすまない。

 大型連休中の5月4日、『朝日新聞』がウィキリークス(WL)から提供を受けた米国務省の外交文書を基に特ダネを書いた。その後、7日と10日にも同じような特ダネの第2弾、第3弾を続けて報じた。ほかの新聞は共同通信や自社特派員による『ニューヨーク・タイムズ』の転電などで同趣旨のニュースをごく簡単に扱って済ませた。テレビがこの関連のニュースを扱ったかどうか、筆者には確認できなかった。

 7千点の米外交公電
 昨年11月WLが米国の秘密外交公電二十数万点の公表を明らかにしたとき、いずれ日本関連部分が日本のメディアに提供される可能性は十分あると思われていた。いくつかの新聞が入手しようとWLに働きかけているとも伝えられた。『朝日』によると、入手した約7000点の対日関係文書は在日米大使館から国務省あてに送られた秘密扱いの電文が中心で、民主党政権成立後の昨年2月までの、比較的新しい時期のものまで含まれている。

 4日の『朝日』が2ページ以上を割いて詳しく伝えたのは、沖縄在留米軍のグアム移転に伴う日本側の経費負担を軽く見せかけるため、米国側の負担を水増ししていたというもの。日本国民の反発を抑えるためのこの方法を日本の外交・防衛当局も認めていたらしい。

 普天間基地の移転問題では、鳩山政権が沖縄県外への移転の方針を打ち出していた傍らで、日本の政治家や外務省幹部が米国側に安易に妥協しないよう促したり、いずれは辺野古移転に落ち着くことを示唆したりしていたという、交渉の舞台裏が生々しく記録されていた。

 また7日の報道では、民主党政権の登場で日米間のいわゆる核密約が公開されることに米側からが強い懸念が繰り返し示されていたことが伝えられた。このほか、自民党政権末期の北方領土をめぐる対ロシア交渉の方針を米側が酷評していたこと(10日)や、災害や危機への日本の対応で官僚制の縦割りが弱点となりうることを米国が危惧していたこと(4日)なども、外交公電の分析から明らかになった。

おざなりな他紙の報道
 『朝日』の一連の報道に対して、他の全国紙の対応は控えめに言ってもおざなりだった。『読売』『日経』はそれぞれのワシントン、ニューヨーク特派員電で『ニューヨーク・タイムズ』が伝えたWLの内容を、30行ないし40行の記事でごくあっさり伝えただけだった。『毎日』『東京』は共同通信のワシントン電をやはり地味に扱っただけ。共同電は米軍の経費水増しや普天間移転に関する部分ではWL文書の内容を相当詳細に伝えていたが、主要紙でこれを使った新聞は見当たらなかった(『東京新聞』電子版では報道)。

 例外は沖縄の2紙だった。『沖縄タイムス』と『琉球新報』はいずれも5日の1面トップで米軍の経費水増しと普天間移転の問題を大きく取り上げ、社説で日本政府に「対米交渉の仕切り直しを」呼びかけていた(『琉球』)。『沖縄』はWLの文書を「独自に入手した」と明らかにしていた。

WLは『朝日』の報道に合わせて外交公電の関連部分を公表したものと思われる。各紙が報じた『ニューヨーク・タイムズ』の転電はそれに基づくものだったのだろう。しかしわずか3、40行の転電では公電が暴露した日米外交の舞台裏の事情など、ほとんど何も説明できていない。

それに比べて『朝日』の報道ははるかに詳細で具体的、しかも問題点を整理して指摘していた。各紙が『ニューヨーク・タイムズ』の報道は引用するのに、『朝日』が先行報道した事実に一切触れようとしないのはなぜだろう。競争紙を引用するのは沽券にかかわるけれど、外国の新聞なら気にしなくていい、とでも言うのだろうか。 


 

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