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ニッポンの利権ゴロたち  宮内義彦と奥谷禮子 [Politics]

雑誌『世界』10月号にフリージャーナリスト佐々木実が記事を書いている:

郵政公社「資産売却」の闇
――民営化ビジネスの虚実――

概要:
http://www.iwanami.co.jp/sekai/2009/10/directory.html
 日本郵政が「かんぽの宿」をオリックス不動産に一括売却しようとしたところ、鳩山総務相 (当時) にストップをかけられ、白紙撤回に至ったことは記憶に新しい。しかし日本郵政は、前身である郵政公社時代にも一括売却 (バルクセール) の手法を用いて600件を超える大量の資産売却を行っていた。このバルクセールの実態はどのようなものだったのか。転売先や資金の出所にまで視野を広げて追跡したところ、謎の有限会社や小泉政権時代に「勝ち組」としてもてはやされた企業の名前などが浮かび上がってきた――。気鋭のジャーナリストによる渾身の追及レポート。
ささき・みのる 1966年生まれ。ジャーナリスト。日本経済新聞社を経てフリー。

この記事の冒頭で、民主党・城島光力議員の話を載せている。

城島氏は元衆院議員、コイズミ選挙で落選。
今回の衆院選で復帰当選。民主党の次の内閣・雇用担当大臣。

城島議員「いま思いだしても腹が立ってきますよ」

『世界』の記事から引用する(一部の語句を変更):

きっかけは2003年5月の衆院議員厚生労働委員会での質疑だった(本記事末尾に議事録URLを添付)。当時の城島議員は労働分野の規制緩和に強い疑念をもっていた。「派遣期間を1年から3年に延長し解雇もしやすくする法案でした。オリックスの宮内義彦さんが議長の総合規制改革会議から出てきた流れだ。それでこの会議のメンバーについて調べてみようと思ったわけです」
調べてみると、人材派遣に関わる経営者が委員のなかに二人いることに気づいた。ザ・アール社長の奥谷禮子氏とリクルート社長の河野栄子氏。ザ・アールのウェブサイトをみてみると、第二位株主がオリックスで主要取引先はリクルートと記されていた。総合規制改革会議は首相の諮問機関。コイズミ総理が提言を尊重するので政策への影響力は大きい。ビジネスでのつながりをもつ三人がそろって委員というのは問題ではないか。城島氏は厚生大臣にただした。..


城島氏は国会の外でおもわぬ反撃に遭う。

以後の顛末は、城島氏のブログを読んでみよう。城島氏は落選後もブログを書き続けた。
2009年2月 3日 (火)のブログ記事を全文引用させてもらう:

総合規制改革会議議長・オリックス宮内会長、奥谷禮子氏とのバトル
http://jojima.weblogs.jp/blog/2009/02/post-2070.html
いま「かんぽの宿」のオリックスグループへの売却に関して世間の注目が集まっている。
鳩山大臣が郵政民営化を推進した中心的人物である宮内氏自身が総帥であるオリックスグループが投資額を大きく下回る金額で購入することについて「ちょっと待った!」をかけたからである。
この間の競争入札の不透明性と道義的な問題の両面からの理由である。
ところがこのことから何と派遣労働法の私の国会審議に関して、私が宮内氏らとバトルを展開したことにも関心が寄せられ、今日発売の「サンデー毎日(規制改革会議を巡る宮内義彦しの手紙・民主党議員を激怒させた高圧的文言)」からも取材を受けた。
それは私が衆議院議員時代の2003年、いま社会問題となっている派遣労働法に関し、国会での質問に端を発したものである。
当時、私は民主党の次の内閣「雇用担当大臣」として雇用政策の責任者であった。
そして本会議や厚生労働委員会で派遣労働法の問題点を厳しく追及した。
その追及し指摘したことが現在「派遣切り」という形であらわれているのである。
その法案の中身の前に実は私は次の様な主旨の質問をした。
「雇用労働分野の規制緩和について総合規制改革会議での検討内容が、ほとんどそのまま閣議決定された。この総合規制改革会議の中に人材派遣業に関連したメンバーが複数参加しているのは何故か。公正な論戦が期待されないのではないか。」というものであった。
即ち、総合規制改革会議には人材派遣業界からザ・アールの奥谷氏とリクルートの河野氏が入っており、かつザ・アールの第2位の大株主が何とこの規制改革会議議長の宮内氏が会長であるオリックスであるという実態で、公正な論戦が本当に期待されるのかという疑問であった。
これほど利害関係者がその派遣業に関するルールの変更に関わることはおかしい話しである。
しかもこの奥谷氏は関連した法律そのものを作る審議会のメンバーでもあるという異常というべき実態であった。
この私の指摘に対して奥谷氏は秘書とともに議員会館の私を訪ね、「謝罪」を求めてきた。
当然私は「多くの人が疑問に思っていることを事実に基づいて質したのであり、抗議そのものが全く筋違いである」と、奥谷氏の抗議に対して逆に強く抗議した。
しかし私への抗議だけかと思っていたら、何と厚生労働委員会の委員長(中山成彬議員)に対して、私の「不適切な」発言を議事録から削除または訂正し、私への処分を検討するように求める内容証明便を送りつけてきていたのである。
さらに続いて今度は宮内氏が総合規制改革会議議長という肩書きで私へ抗議文を送りつけてきた。
「勝手な憶測により殊更に誇張、歪曲し関係する各委員、ひいては総合規制改革会議全体の識見を侮辱し国民に動揺を与え、規制改革そのものへの不信感を誘導するような発言は不当である」という内容であった。
常軌を逸した内容であった


自分達だけが正しく少しでも疑問や問題を投げかけると、烈火の如く怒りその発言を封じ込める態度と行動に唖然とするとともに、怒りがこみ上げてきた。
そしてこうした権力を笠にかけたやり方には徹底して戦っていこうと思った。
従って私は宮内氏の抗議文について政府見解を求めるべく、いわゆる質問主意書を内閣に提出した。
その中で政府は私への回答の中で行政府が国会議員の質問に対して、その発言内容にクレームをつけたことはないことも明らかにした。
また同時に衆議院の厚生労働委員会はこうした両氏の一連の行動について、「議会制民主主義の基本的なルールを踏みにじるかつてない暴論である」との見解を正式に決定した。
当然のことである。
以上が大筋私と規制改革会議宮内議長と委員である奥谷氏との顛末の一部である。
要するに私の質問と指摘がズバリ彼らの痛いところをついたものであったが由に異常な反応をしたということであろう。
このように私は終始一貫、権力を背景に自己利益を図ろうとすることに対し毅然として戦ってきたのである。
(以上、引用終わり)



佐々木実の記事(世界)、つづき:
##
憲法第51条は、国会議員に国会での発言の責任を問われないという免責特権を与えている。抗議を逆手にとって問題にしようと城島氏が考えていた矢先、自民党の有力議員(のち大臣になった)が声をひそめるように忠告してきた:
「城島さん、あなたのいうことはそのとおりだよ。でもね、宮内義彦はいま日本の最高権力者だ。戦っていいことはなにもない」
##



まったく、ヤーサンも顔負けのゴロツキどもである。

宮内や奥谷のアタマにあるのは、おのれの金モーケのことだけ、言論の自由とか、社会的正義=貧しい人びとをいかに豊かにするか、などという発想は皆無なのである。こういう社会的禁治産者は、公衆の眼に触れぬよう隔離しておく(もちろん、公職からは追放)のが青少年教育のため、ニッポンのためである、とわたしは提言したい。

こういうゴロツキ共と、ゴロツキ共をやりたい放題にさせた政治屋・官僚により実現した<雇用労働分野の規制緩和>がどのような性格のものであるか。精査しなくても想像がつくだろう。


ともあれ復活当選した城島さんおめでとう。
ゴロツキ共にタップリと懲罰的加重報復をしてやってクレイ。

正直者が報われる社会の実現を!

神奈川10区 城島 光力議員当選
http://mainichi.jp/select/seiji/09shuinsen/mai/kaihyo/area_meikank.php?mid=A14010003003

世界10月号の記事は、郵政公社資産売却の闇に迫っている。是非、お読み頂きたい。




参考:
2003年五月十四日(水曜日)衆議院厚生労働委員会 議事録
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009715620030514014.htm#p_honbun

お笑いみものんた劇場
http://montagekijyo.blogspot.com/2009/02/blog-post_9754.html


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