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チベットをパレスチナ状況にするのか? [Politics]

<チベット>独立急進派の「自爆テロ」示唆、専門家が警告―中国http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080421-00000023-rcdc-cn
2008年4月20日、環球網によれば、チベット独立の急進派「藏青会」(チベット青年会)の次旺仁増主席が「チベット抵抗運動」に伴い自爆テロによる抵抗運動を行うと国際的にアピールしたことを受けて、中国現代国際関係研究院反テロ研究センターの李偉(リー・ウェイ)主任が、全国民に注意を促すとともに、テロによるチベット独立を図る動きをけん制した。

同主席が先にインド北部のダランサラで、イタリア「コリエレ・デラ・セラ」紙のインタビューに答え、非暴力の方法では中国につけいる隙を与えてしまい、「抵抗運動の方法を変えるべきだ」とし、「“チベット独立”のためにはいかなる代償も厭わない」と、自爆テロも辞さない構えを明らかにするとともに、北京オリンピックのボイコットを全世界に訴えたという。

李主任は「テロ組織の定義は各国で異なるが、基本的な特徴から見て“藏青会”がテロ組織であることは疑いない。今回の次旺仁増主席の発言からも、それが明らかになった」と語った。また、中国では武器や危険物の管理が厳格に行われており、爆発物を中国国内で入手することも、国外から持ち込むことも難しいとし、テロを起こすことは難しいはずだと指摘した。



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ソナム・トテン少年、と、ダライラマ14世



作家・船戸与一が1987年9月~10月のラサ(チベットの中心都市)で市民僧侶の蜂起のあと、関係者にインタビューしている。蜂起の後中国軍は徹底的にチベット弾圧を行った。

多数の僧侶市民がこのとき、ダライラマ14世の亡命政権があるインド北部の町ダラムサラに逃げ込んだ。ラサで中国軍により近親者多数が殺されるのを目撃した当時10歳の少年ソナム・トテンもその一人である。

ソナム・トテン少年に対する船戸与一インタビューの最後の部分。(このインタビューは従っていまから約20年前におこなわれたもの)。


- 今はここでひとりでくらしているの?

(亡命政府が建てた小学校の)寄宿舎にいるよ

- 十日経って友達はできたかい?

ううん。ひとりも。

- 夜、チベットのことを想いだして泣くこともあるかい?

しょっちゅうだよ。泣いてばかり

- 怖い夢もみるかい?

見るよ。だから、なかなか眠れないよ

- 大きくなったら、何になるつもりなんだい?

殺すよ

- 何だって?

銃を取って中国人を殺してやるんだ。


私たち(船戸与一)はここでインタビューを打ち切った。ソナム・トテンの神経がまた高ぶってきたように見えたからだ。だが、彼の最後の言葉は、いかに慈悲のこころを重視する仏教徒といえども、いまのチベット人に共通する素朴な感情とも言えるだろう。そしてこの感情を基礎として若者達の間で組織されたのが「チベット青年会議」なのだ。ある意味では、今後のチベットの趨勢はこの組織の動向により左右されると断言していいかも知れない。
   船戸与一『国家と犯罪』(小学館) p387  (写真も)


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船戸与一はこのとき、ダライラマ14世ともインタビューしている。ダライラマは徹底的な無抵抗主義を貫くべし、という。

-(船戸与一) ゲリラ活動はどんなことがあっても、お認めにはならないと?

ダライラマ: 当然だろう。若い世代の一部にはアフガニスタンのムジャヒディンのようにやろうとしゅちょうする者もいる。あるいはパレスチナ人のように。だが、チベットの状況はまるでちがうんだ。中国人は十億人以上もいる。これに対してチベット人はわずかに600万人だ。亡命チベット人と内部のチベット人が呼応しあったところで何人のチベット人が戦闘に参加できるというのだ? 人民解放軍はいとも簡単に踏みつぶすだろう。私に言わせれば、ゲリラ活動はただのたわごとだ。問題外だよ。意味のない自殺行為だし、あまりにも愚かしい命の無駄遣いだから。チベット独立のためのゲリラ活動というが、そんなことをやれば逆にチベット独立のリアリティは消えていくばかりだ。 p402~403。

080416_2218~01interview.JPG ダライラマ14世と船戸与一


ソナム・トテンは生きていれば今30歳前後だ。青年会議メンバになったのか?


日本は、日露戦争後、朝鮮、アジア太平洋戦争において、満州中国、アジア各国を侵略した。中国はそれと同じことをやっている。ニッポンは敗戦により植民地を放棄、するチャンスを得たのはラッキーであった。太平洋戦争がもし起こらなかったら現在の中国と同じ目にあっていたろう。中国にとって幸いなのは、侵略に対し強力に違和を唱える国がないことである。安保理常任理事国はどの国をとっても倫理性ゼロ、いずれも侵略により国を築いた侵略の達人なのであるから。




<中国・チベット関連情報   リンク集>
視点・論点 「チベット騒乱と中国」2008年04月08日 (火)
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/8077.html


毛沢東に屈したネパール王政 “抜け穴”失うチベットの民
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/139510/

中国は対チベット政策を毛沢東の「17カ条協定」に戻せ
http://www.gfj.jp/cgi/m-bbs/index.php?title=&form%5Bno%5D=599

【超入門 チベット問題】
http://www.tibet.to/mondai/index.htm

チベットの概要
http://www.tibethouse.jp/about/outline.html

チベットは中国の領土ではない!
http://www004.upp.so-net.ne.jp/teikoku-denmo/no_frame/history/honbun/tibet.html

チベット自治区 wiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E8%87%AA%E6%B2%BB%E5%8C%BA

チベットは見捨てられるのか
2003年7月1日  田中 宇
http://tanakanews.com/d0701tibet.htm

チベット騒乱に見る中国の情報統制
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080324/151065/

チベット問題の整理
http://homepage3.nifty.com/indology/dalailama.file.8.html

中国の人々が語るチベット●
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~TIBET/CND00.htm

中国がチベットを手放せない理由
http://www.jimbo.tv/videonews/000441.php

チベット問題の歴史淵源
http://tibet.que.ne.jp/okamenomori/problem1.html

歴史資料「チベットは古来中国領土の一部」 人民日報
http://j.people.com.cn/2008/04/21/jp20080421_87101.html

ダライ・ラマが北京五輪支持を表明、チベット問題では中国政府を批判
2008年04月10日 18:40
http://special.reuters.co.jp/contents/tibet_article.html?storyID=2008-04-10T184003Z_01_NOOTR_RTRMDNC_0_JAPAN-312585-1.xml

中国の少数民族
http://english.hanban.edu.cn/ri-shaoshu/zang.htm

チベット問題・最悪のシナリオと唯一の解決法
http://www.egawashoko.com/c006/000254.html

about tibet
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ryunosuke/9947/travels/tibet/abouttibet.html

中国のチベット侵略(本多 勝一)
http://www.kinyobi.co.jp/pages/vol699/fusokukei

中国のチベット弾圧
http://www.sun-inet.or.jp/~qze13054/menu%20599-041.html


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コメント 6

village

こんにちは。
小田実さんの記事でトラックバックをいただいたvillageです。
その後ちょくちょく拝見しております。

10年以上前でしょうか、ブラッドピッド主演の「セブン・イヤーズ・イン・チベットを見たとき何かが起きているんだな、とは感じました。
マスメディアの報道やこちらで紹介されている記事などによって少しづつ状況を把握できつつあるとはいえ、チベット問題について歴史的背景など充分な理解があるとはいえませんが・・・。

ダライ・ラマ14世がノーベル平和賞を受賞していることにどんな意味があるのか。
北京オリンピックを目前にして中国政府に対する抗議行動が激しくなっていますが、アメリカでのペットの死、日本の毒入りギョーザ、そしてチベット問題、私にはすべてが同根のように思われてなりません。
どうしても西側諸国のモスクワオリンピック不参加を想い出してしまうのです。

うがった観かたでしょうか。
いずれにしても北京オリンピックまであと3ヶ月、自分なりに見守っていこうと思います。

失礼しました。


by village (2008-05-03 10:03) 

古井戸

まず、ひどい誤字があったので訂正。。

         ニッポンが植民地を放棄する。。->蜂起、になっていました(ひどすぎる誤字~)。

##

villageさん。

ブラピの映画は観ていません。ハリウッドにかなりのチベット支持派がいるようですね。

この問題が起きたのは、49年の毛沢東・中京軍による侵略が発端のようです。中国は戦勝国として安保理常任理事国(拒否権あり)になってしまったし、すねに疵持つ戦勝国が軒並み、常任理事国になり、記事に書いたようにそれまでの数百年におよび東洋やラテンアメリカ侵略の罪がオールリセットになりそうな勢い。 東洋人やアフリカ人ラテンアメリカ人(米国の原住民)の子孫は、全く過去を清算されずにいます。

現在の各国の国民の大部分は歴史的な事実を、後継代理人として引き継いでいるに過ぎません。

オリンピックへの不参加国が多くなることは、チベットや中国だけでなく、ニッポンや世界にとって禍根を残しますね。解決が遠のきます。あらゆる交渉手段により軟着陸させるしかありません。問題をこじらせた責任は安保理常任理事国~国連にあります。

チベットの青年層によるゲリラ運動を惹起しないよう、パレスチナ化はなんとしても防がねばなりません。中国、ロシアの民族問題、パレスチナなどにも影響を与える問題です。
by 古井戸 (2008-05-03 14:08) 

village

レスありがとうございます。

北京代表権は1971年10月25日国連決議以来ですね。
台湾が国連総会の会場から退場したのを鮮明に覚えています。

チベット問題はチベットに自治政府を置くことによってしか解決しないんでしょうか。
中国は承服しないでしょうね。

ps 中京軍⇒中共軍 かな?
by village (2008-05-03 15:24) 

古井戸

ちゅうきょう。。中共。。と一発変換しないんですねー(なんて、ATOKのせいにする。。)。

>チベット問題はチベットに自治政府を置くことによってしか解決しないんでしょうか

それは無理でしょう。ダライラマはそういうことを要求していない。政府、とは?という問題があるが。

しかし、中国が過去やったことは内政干渉、で済む問題ではないでしょう?コソボなどで起こったレベルのホロコーストにルイする行為、と私は理解しています。 そういう過去を飲み込んで、自治だけは確保したい、というのがダライラマの要求です。

欧米各国が中国に、自治権云々などというのはちゃんちゃらおかしい。彼らがこれまで何をやってきたのか。アジアに対して。

とくに英国の印度や中国、アフリカ、フランスのアフリカ、マレイや中国。もちろん、ニッポンも、です。おのれ等が過去を問わないで中国にアーセイ、コーセイなど片腹痛い。

議論をすれば中国は必ず、そういうことを反論してきます。米国はインディアンを虐殺した上であの広大な土地と資源を得たではないか、と。

これは歴史問題です。過去を一切問うまい、未来志向で行こう、というハナシに、ダライラマが宣言して、旧来の宗主国も被支配国に謝罪する、という納め方をしないと解決しません。

by 古井戸 (2008-05-03 20:53) 

village

おはようございます。

アメリカ大陸は誰のもの?
オーストラリアは?
ニュージーランドは?

わずか数百年前まで白人は住んでいなかった分けですからそんな疑問も出てきますよね。

自由・平等・博愛のフランスがアルジェリアなど世界各地でやったこと、自由の国アメリカ合衆国にはつい最近まで奴隷制度があったなど考えると、彼等が声高に人権を唱えることに大いなる疑問を感じてしまいます。

ps 中共という言葉は差別用語かなんかで禁句だったかもしれません。
by village (2008-05-04 07:18) 

古井戸

他人事ではなく、ニッポンも侵略・植民をおこない、敗戦の結果全部変換しただけの結果オーライ組ですね。ウヨクの連中がチベット支援しているのなら、半世紀前の中国、印度、朝鮮(韓国)、。。などを支援しなくてはなりません。

アフリカからの度重なる謝罪要求にも英国は応じません。
http://blog.goo.ne.jp/e-hori/e/33a89340eb836afec82a329a15fa7367

英米欧州の現在の発展はアフリカやアジアに対する侵略、不平等貿易により得られた成果です。

その当時に行った行為に、現在生きている世代は責任を負う必要があるか、ということになりますが、これを放棄するということは、現在の国家や外交の仕組みを放棄することになります。過去の侵略を非難や謝罪を行ってなんになるか、という意見もあるでしょうが、大いに意味はあります。これは現在の行為の正当性への担保になります。英国やフランス、米国が昔の過去を謝罪しないのは、現在、侵略的行為を行っており、それを恥としないからです。 ロシアやイスラエルが、チベットにダンマリなのは当然です。

中共(中国共産党)を差別用語とする感覚は理解できないことですね。中国が嫌がっている、のでしょうか?ならば、毛沢東政府、とでもしなければなりませんね。
by 古井戸 (2008-05-04 12:51) 

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