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除染は効果があるか? [東日本大震災]

放射線量はほとんど減少せず。“除染”は本当に効果があるのか?
http://wpb.shueisha.co.jp/2011/10/27/7682/

引用:
福島第一原発事故で放出された放射性物質により汚染された福島県内の各市町村で、住民による除染作業が行なわれている。だが、実際に作業にあたった住民によると、期待したほどの効果は上がっていないという。
 
福島駅まで車で10分もかからない場所にある閑静な住宅地・渡利地区では、7月24日に3700人以上の住民が除染作業に参加。しかし、9月14日に市民グループが同地区の放射線量を測定してみると、除染前よりも高い数値が記録されてしまった。「福島老朽原発を考える会」の阪上武氏がこう語る。
 
「線量は除染前の68%ほどにしか下がらなかったばかりか、渡利中学校の近くなど、逆に上昇したポイントもあったんです。私たちが9月に行なった独自調査でも、採取した5ヶ所の土壌のうち、実に4ヶ所がチェルノブイリの特別規制ゾーン、残りの1ヶ所も移住の義務ゾーンに匹敵する高い線量が出ました」
 
チェルノブイリの特別規制ゾーンとは、日本では福島第一原発から半径20キロメートル圏の警戒区域に当たる。5ヶ所の土壌測定を行なった山内和也神戸大学大学院教授はこう語る。
 
「最も高い数値を出したのは渡利地区の薬師町内の水路で、30万7565ベクレル/キログラムでした。東京都に示された環境省の基準では放射性物質を含んだ焼却灰は8千~10万ベクレル/キログラムの範囲で、かつコンクリートで固められたものに限り埋設してもよいと定められていました。コンクリートで固めて10万ベクレル以上は埋設もできない渡利地区にはその3倍以上の放射能の土壌がむき出しの状態で放置されているのです。子供と一緒にここに住んでくださいと言われても、私はハイとは言えません。渡利地区の住民は今すぐにでも避難させるべきでしょう」
 
山内教授によると、渡利地区は背後に弁天山など、山林を抱えているため、雨のたびに汚染された泥や葉っぱが流れ込み、それが乾燥してさらにセシウムが凝縮されているという。
 
「それだけに、渡利ではブラシでごしごしと水洗いしたり、汚泥を取り除くという除染は大した効果は上がりません。なのに、国も福島市も除染の一点張り。しかも、その目標も甘すぎます。2年後までに年間被曝線量を50%減らすとのことですが、今の線量の4分の3はセシウム134で、その半減期は2年。ということは、何もしなくても2年たてば、福島市の空間線量は半分近くに減るのです。つまり、国の目標値は何もしないと言っていることに等しい。これでは本当の意味での除染とは呼べません」(山内教授)
 
ただ「除染」と一括(ひとくく)りにするのではなく、地域ごとに異なる細やかな対応が必要だ。

空を飛び、地表に降り注ぐ目に見えない放射性物質。水で流せば大丈夫なのか、特殊な薬品が必要なのか。除染の効果は誰にも分からない。
##


(古井戸)ゼネコンに対して、除染を発注する市町村は、作業後の汚染量をxxxxxベクレル/kg以下、あるいは、作業前の20%以下に落とすこと、などの作業基準を設定し、その値に到達するまでは、作業終了とは見なさない=代金も支払わない、という条件をつけるべきである。無能なゼネコンは脱落するだろうし無駄な作業がなくなる。作業契約が一件も成立せず、という事態になればまことにもって喜ばしい。

2チャンネルのコメントは、この記事に対して、「除染は、ウンコにファブリールを振りまくようなもんだ」と言っていた。http://www.febreze.jp/


Saturday, February 18, 2012
ニューヨークタイムズ: 訳の分からない放射能除染 (記事全訳)
 http://ex-skf-jp.blogspot.com/2012/02/blog-post_9660.html

日雇いの労働者は放棄された学校の窓を拭きながら、彼の作業グループの行き当たりばったりの仕事振りにしょうがないとばかりに肩をすくめる。「みんな素人だからね」、と彼は言う。「放射能をどうやってきれいにするか、誰も本当のところ知らないんだ。」

何の資格も技能も無い日雇いの労働者でも、一日に2万5千円稼げる除染は大きなビジネス、とレポートしたのは、2012年2月10日付けのニューヨークタイムズ紙のタブチ・ヒロコ記者。以下に、私訳をお届けします。長い記事なので、英文の元記事の文章は省略させていただきました。

元記事: ”A Confused Nuclear Cleanup” (2/10/2012) By Hiroko Tabuchi

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2012年2月10日ニューヨークタイムズ

訳の分からない放射能除染

タブチ・ヒロコ

飯舘村 - 福島第1原発から20マイル(約32キロ)のところにあるこの村に、ハズマットスーツを着てマスクをつけた作業員500人が散開し除染を行う。彼らの困惑は明らかだ。

「5センチ掘るんですか、それとも10センチ?」現場監督はは同僚に聞きただし、取り除く予定の表土を指差す。その後、村の広場の向こうにある公民館を指して、「あれは取壊すんじゃなかったですか?除染するんですか、しないんですか?」

日雇いの労働者は放棄された学校の窓を拭きながら、彼の作業グループの行き当たりばったりの仕事振りにしょうがないとばかりに肩をすくめる。「みんな素人だからね」、と彼は言う。「放射能をどうやってきれいにするか、誰も本当のところ知らないんだ。」

確かに、誰も本当のところを知らないのかもしれない。しかしそれしきの事で挫ける日本政府ではなかった。手始めとして、政府は130億ドル(1兆円)分の契約を発注し、8000平方マイル(2万720平方キロ)を超す、放射性降下物に最もさらされた地域 - 米国のニュージャージー州と同じ広さ - を再生しよう、というのだ。最大の目標は、昨年3月の原発事故現場の近くに住んでいた8万人以上の住民が帰還できるようにすること。その中には飯舘村の6500人の村民も入っている。

ただ、その除染方法が効果的であるかははっきり分かっていない。

除染プログラムを批判する人々にとって更に気がかりなのは、政府が最初の契約を発注した先が大手ゼネコン3社であったことだ。放射能除染の専門知識・経験が飛びぬけてあるわけでもないのに、日本政府の原発推進で大いに利益を上げてきたのが大手ゼネコン会社、というわけだ。

市民の監視グループである原子力資料情報室によると、このゼネコン3社で日本にある54の原発のうち45を建設している。そのうちの1つ、福島第1原発では、原子炉建屋やそのほかの発電所は津波に耐えることが出来ず、壊滅的な機能不全に陥った。 【訳注:ニューヨークタイムズの記者は原子力発電所と原子炉を混同している模様。54あるのは原発ではなく、原子炉。ニューヨークタイムズには記載が間違っている旨メールしましたが、返事なし。】

3社のひとつが大成建設で、ジョイントベンチャーの元締めであり、今飯舘村にハズマットスーツを着た作業員を送り込んでいる。大成のジョイントベンチャーと他の2社、大林建設と鹿島建設が元締めのジョイントベンチャーの3つで、最初の12の政府除染実験プロジェクト合計9千3百万ドル(約74億円)を受注した。

「詐欺ですよ」と言うのはサクライ・キヨシ氏。原子力業界を批判する氏は、日本原子力研究開発機構の前身機関の研究者だった。日本原子力研究開発機構は現段階での除染を総括している。「除染はビッグ・ビジネスになりつつあります。」(以下略)

毎日新聞 2012年3月4日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120304ddm010040038000c.html

東日本大震災1年:汚染の広がりと対策  除染効果は限定的
 
 ◇手順と手法 当面は「ローテク」で対応
 
 洗浄▽草刈り、落ち葉、汚泥などの除去▽表面削り取り--。除染をめぐっては、効果的な手法の研究開発が進められているが、当面はこうした「ローテク」で対応するしかないのが実情だ。
 
 環境省が作成した「除染ガイドライン」は、民家などの建物▽道路▽校庭や公園、農地などの土壌▽街路樹や森林など--に分けて具体的な除染方法を記載した。効果を確認するため、作業の開始前と終了後で空間線量を測定することを求めている。
 
 ■民家
 
 民家などの建物の除染では、高い濃度で汚染された場所を中心に、高いところから低い場所へ作業することが基本だ。
 
 まず放射性セシウムが多く含まれる側溝の落ち葉などを、手作業で取り除く。さらに家屋のそばの高い樹木→屋根、屋上→雨どい→外壁→庭--の順に作業する。
 
 高い樹木は剪定(せんてい)や枝打ちなどを実施。屋根などに落ち葉やこけ、泥などがあれば手作業や、水を流してブラシを使ってこするなどして取り除く。
 
 放射線量が下がらない場合、瓦などの屋根材にセシウムが浸透しているため、高圧洗浄を試みる。屋根の重ね合わせ部分や金属が腐食している部分、大きな建物の排水口周りには堆積(たいせき)物が多く、念入りに作業する。セシウムを含む排水が発生するため、できるだけ回収する。
 
 それでも効果がなければ、建物を壊さないように注意しながら、表面を薄く削り取る。
 
 ■道路
 
 道の脇や側溝、縁石には泥や草、落ち葉などがたまっており、手作業で取り除く。さらに高圧洗浄を水が飛び散らないように試みる。アスファルトなどの削り取りは高い効果が期待できるが、コストも高く大量の汚染がれきが発生するため、市街地や居住地に隣接して他に方法がない場合などに検討する。
 
 ■土壌、森林
 
 土壌は表面の削り取りや、汚染されていない土で表面を覆う。
 
 上下の層の入れ替え(天地返し)も有効だ。表面の層を約10センチ掘り起こし、下の層を約20センチ掘り起こす。次に表面の土を底に置き、その上を下層の土で覆う。
 
 農地では、セシウム濃度が1キロあたり5000ベクレル以下なら、除去する汚染土壌が発生しない上下層の入れ替えで対処することが可能だ。
 
 森林は、広葉樹の落ち葉などにセシウムが付着することで地表面が汚染される。しかし、表面全てをはぐことは、膨大な汚染土壌が出るため非現実的だ。このため落ち葉などの除去は、森林の境界から20メートルを目安に実施する。
 
 スギやヒノキなどの常緑針葉樹林では、セシウムが枝葉に付着している可能性が高い。これらは雨や落ち葉によって3、4年かけて地上に落ちるため、継続的な対策が必要だ。
 
 ◇開発途上の技術
 
 除染は、住民が帰還できるかどうかのカギを握る。国や自治体はさまざまな技術を使って除染に取り組んでいるが、思うように放射線量が下がらず、苦慮している。このため、多くの地元業者や大手建設企業が福島県内で技術開発を進めている。
 
 国は昨年12月、陸上自衛隊の協力で、警戒区域の楢葉、富岡、浪江の3町と計画的避難区域の飯舘村の各役場庁舎で除染した。隊員約900人を動員し、線量を測定しながら高圧洗浄機や金属製のブラシで庁舎を洗浄したほか、周辺の表土を重機やスコップで削り取ったり、植え込みを伐採するなど、約2週間作業した。
 
 最も効果があったのは芝地の表土をはぐ方法で、飯舘村の庁舎では毎時4・39マイクロシーベルトから同0・96マイクロシーベルトへと約8割近く下がった。
 
 ところがアスファルト舗装の道路を高圧洗浄機やブラッシングで洗い流す方法では約3割しか落ちなかった。この傾向は3町でも同様で、芝地で表土をはいだ場合は平均で約7割低下したが、アスファルト舗装や庁舎屋上(コンクリート)では2~5割程度しか線量が下がらなかった。
 
 なぜ、洗い流しても線量がそれほど下がらないのか。
 
 日本原子力研究開発機構の天野治フェローによると、原発から放出された放射性物質はプラスに帯電した微粒子の状態で空気中を漂い、雨や雪とともに地表に落ちた。田畑の土壌や家屋の屋根、壁などはマイナスに帯電していることからプラスの放射性物質と電気的に結びつき、安定していると考えられる。電気的に安定した状態であれば、高圧洗浄機やブラッシングなどで圧力をかけても、簡単にははがれない。天野氏は「外部から物理的な圧力をかけてもなかなか取れないので、屋根や壁の表層をはぎ取るしかない」と指摘する。
 
 除染すると汚染された水や土壌が大量に発生する。それらの処理も課題だ。建物の壁や屋根を高圧洗浄機で洗浄した時に生じる汚染水は、回収しなければそのまま河川に流れ込み、環境を汚染することが懸念される。また、田畑や庭ではいだ表土も、大量に出てくるからだ。
 
 福島県南相馬市の建設会社「庄建技術」は、もみ殻を使った汚染水の除去装置を開発した。屋根や壁を高圧洗浄機で洗い流した汚染水を、もみ殻を入れたドラム缶に通過させると、もみ殻の表面にある毛が放射性セシウムを吸着して除去する仕組みだ。通過させた水はそのまま下水に流すことができるという。
 
 同社の高橋正則技術部長によると、もみ殻1キロ当たり約3万ベクレルを吸着させる効果があり、除去率は9割以上。高橋さんは「実験ではもみ殻は、ゼオライトの15倍の吸着効果があった。装置は安価で大量に作ることができる。地元の小さな企業でも原発事故からの復興を手助けできると証明したい」と意気込む。
 
 三井住友建設(東京都中央区)と金沢大は、放射性セシウムに汚染された土を洗浄と研磨処理技術を組み合わせて除染する技術を開発した。セシウムを除去した土は再利用でき、汚染土の量を減らすことができる。
 
 同社によると、汚染土内の土粒子はセシウムと結合した状態で存在している。汚染土を特殊な洗浄剤に漬け込むことで、セシウムと土粒子を剥離しやすい状態にする。その後、洗浄機の中で土壌をかき混ぜ、こすり合わせて土粒子表面を削り取り、表面についたセシウムを除去する。
 
 昨年12月には福島県伊達市の運動場で、60立方メートルの汚染土を約1カ月かけて処理する実験をした。濃度は1キロ当たり約2万ベクレルだったが、処理後は25分の1の同800ベクレルまで下がり、処分が必要な汚染土を5分の1の12立方メートルに減量できたという。
 
 ◇線量「自然減」頼み
 
 政府は、直轄で除染を行う地域の中でも、比較的線量の低い地域(年間積算線量が20ミリシーベルト以下)については、13年8月末までに一般の人の追加被ばく線量を50%減少させることを目標に掲げる。学校や公園を優先させることで、子供については60%減少を目指している。これらの目標は、大部分を自然現象による放射性物質の減少効果に頼っている。
 
 放射性物質は現在の技術では、完全に消したり無毒化することはできない。雨で流されたり風で飛ばされたりすることで、拡散して希釈するほか、物質ごとに、時間経過に伴って半分に減っていく「半減期」を持つ。東京電力福島第1原発事故で放出され、最も問題になっている放射性セシウム134は半減期が2年、137は30年だ。
 
 ローテクの作業によって洗い流されたり、削り取られたりした放射性物質は別の場所に移され、その後、放射線を出さなくなるまで長い年月がかかる。
 
 ◇作業の計画 土地所有者の把握から
 
 国は、警戒区域(楢葉町のみ区域外も含む町内全域)と計画的避難区域を「除染特別地域」として、直轄で除染する。両区域は4月に、年間20ミリシーベルト以下の「避難指示解除準備区域」(約1万200ヘクタール)▽同20ミリシーベルト超50ミリシーベルト以下の「居住制限区域」(約7200ヘクタール)▽同50ミリシーベルト超の「帰還困難区域」(約9300ヘクタール)--に再編される予定で、除染計画はこの3区分に分けて立てられている。
 
 環境省の除染工程表によると、避難指示解除準備区域と居住制限区域を優先し、14年3月末までの完了を目指す。しかし、現在の技術は「年間50ミリシーベルト以下ならば年間20ミリシーベルト以下まで下げられる」(環境省)レベル。このため、帰還困難区域は、モデル事業で効果を確かめることしか決まっていない。
 
 避難指示解除準備区域は、線量によって異なる目標を設定。年間10ミリシーベルト以上の地域と同5ミリシーベルト以上の学校などは12年中、同5~10ミリシーベルトの地域は13年3月末まで、同1~5ミリシーベルトの地域は14年3月末までに除染終了を目指す。
 
 居住制限区域は14年3月末までの除染終了を目指す。年間20ミリシーベルト以下にすることを目標とし、除染を優先する地域は地元自治体と協議をして決める。
 
 除染は土地所有者などを把握し、住民説明会を開催することから始まる。その後、家屋などへの立ち入りの了解を得た上で放射線モニタリングを実施。除染方法を決めても、実際の作業に入るまでにかなりの時間がかかる。
 
 除染特別地域の11市町村の避難住民は3万~4万世帯とみられ、全国に散らばっている関係者を捜すだけでも相当な時間がかかる。除染を計画通り進めるのは困難が予想される。
 
 ◇作業員「講習会」に希望殺到
 
 「高圧洗浄後の汚水をどう処理したらいいのか」。除染に携わる作業員らを対象に、2月8日に名古屋市内であった環境省主催の除染講習会には約180人が参加、実際の作業を想定した質問が相次いだ。
 
 実際に除染作業に携わるのは土木業、建設業などの作業員だ。放射線の被ばく防止や除染方法について基本的な知識を身につける必要があり、厚生労働省は労働安全衛生法に基づき、除染を請け負う業者に対して労働者に特別教育をするよう義務づけた。内容は、除染の根拠となる放射性物質汚染対処特別措置法や、労働安全衛生法の除染に関する規則、放射線や被ばく防止の基本的な知識、具体的な除染方法や機材の使い方など。
 
 環境省によると、こうした特別教育を、作業員5~6人を束ねる現場班長的な立場の人に実施するため、昨年12月から東京、大阪、名古屋などで講習会を始めた。約6000人の受講者で約3万人の作業員をカバーすることを想定していた。しかし、予想以上に受講希望者が多く、厚労省と環境省の実施分を合わせると、受講者(申し込み済み)は既に7000人を突破。東京などの大都市の会場では定員を超えるケースも出ている。


汚染土 仮置き場決まらず…茨城 (2012年3月2日 読売新聞)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=55347

 国が放射性物質の除染費用を負担する「汚染状況重点調査地域」に指定された茨城県内の20市町村が2月末現在、除染に伴って発生する汚染土の仮置き場が決まっていないことがわかった。
周辺住民から設置の理解を得るのが難しいためで、除染作業に影響を与える恐れが出ているほか、学校や公園で汚染土の保管が長期化する可能性が高まっている。
(略)
多くの自治体が現場保管を強いられる中、除染作業に影響を及ぼすケースも出てきそうだ。牛久市放射能対策室は「現地で保管できない場合はどうするのか」と頭を抱える。敷地が狭い公園などでは、埋設や野積みの場所を確保できない可能性があり、道路の側溝など現場保管が不可能な場所もある。同室は「除染の効果が落ちない範囲で、できる限り発生量を抑えるよう作業を工夫するしかない」と試行錯誤が続く。

 このほか、「災害復旧工事で業者が集まりづらいのではないか」(高萩市)、「ホットスポットのように、局地的に高い場所は除染すべきなのか」(鹿嶋市)など、仮置き場の確保以外にも課題が山積しており、環境省への除染計画の提出は遅れ気味だという。


原発除染 費用数十兆円の「除染バブル」発生可能性指摘される
2012.02.19 16:00  ※SAPIO2012年2月22日号
http://www.news-postseven.com/archives/20120219_87429.html
 環境省による除染作業の工程表が発表されたが、問題は、費用がどの程度まで膨らむのか皆目見当がつかないという点だ。いったい何が起ころうとしているのか。ジャーナリストの須田慎一郎氏が解説する。
 
 * * *
  除染作業に暗雲が垂れこめている。
 
 環境省は1月26日、国が直轄で進める除染作業の工程表を発表した。工程表によれば、今春以降順次、本格的に除染作業に着手し、2014年3月末の完了を目指すとしている。
 
 除染作業に関しては、福島原発から半径20キロメートル以内の立ち入り禁止区域(警戒区域)は国が直接作業を行なう(国の直轄区域)。それ以外は国が予算を負担して各自治体が行なう。
 
 もっとも一連の除染作業については、もうすでに民間業者が請け負う形でこれまでも作業が進められてきている。関西に本社を置く中堅ゼネコン社長が言う。
 
「通常の公共事業と同じ形で仕事を請け負っている。つまり大手ゼネコンが元請けで、ウチはその下請けだ」
 
 だがこの除染作業に関して悩ましいのは、費用がどの程度まで膨らむのか皆目見当がつかないという点だ。
 
「大きな声では言えないが、まともにやったら費用が数十兆円規模まで膨らんでいくのは確実」(前出の中堅ゼネコン社長)
 
 作業のやり方しだいでは、「除染バブル」とでも言うべき状況にもなりかねないのだ。
 
「だからといって青天井でそれを認めるわけにはいかない。国が全額負担する以上、当然ながら予算の制約がある。除染作業はその範囲内で行なわれることになる」(財務省幹部)
 
 つまり除染作業については必要とされるところに対して完全に実施されるというわけではないようだ。
 
「加えて実際に作業を進める側にも問題が出てきた。この除染作業は、現場の作業員にことのほか負担を強いることがわかってきた。作業員は想定をはるかに超えたレベルで精神的、肉体的ダメージを受けているのが実情だ。充分な数の作業員を確保していけるのかどうか、非常に不安だ」(前出の中堅ゼネコン社長)
 
 のっけから工程表通りに作業を進めることは難しくなってきた。
 


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