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報告『福島原発メルトダウン』     [東日本大震災]

これまで、私がネットで検索して読んだ中では、最も一貫性のある報告である。 




福島原発メルトダウン  

http://www.asahi-net.or.jp/~pu4i-aok/cooldata2/politics/politics27.htm

2011年03月11日午後3:46、マグニチュード9(世界で4回目)の超巨大地震で福島第一、第二原発はスクラムした。平安時代に大津波の記録があるそうで、2011年3月11日の東北大地震は1,000年に一度の大地震のようだ。東電は福島県の火力と原発を全て失い、電源不足に陥って企業が活動を始める月曜日から輪番停電すると連絡があった。問題は鎌倉市の下水ポンプには非常用発電機がなく、停電すると下水からし尿があふれ出す可能性あるとか。トイレをできるだけ使うなという広報車が触れまわっていた。

原発事故初期の頃の私の推測だが、原発近くの30m位の断崖に津波が砕けて50m位の水しぶきが上がっていたのでディーゼル油タンク流出だけでなく、海水ポンプシステムが潅水して動かなくなったのかもしれないと考えた。持ち込んだ発電車が役に立たなかった理由がうなずける。幾らビルを頑丈に作ってもシステムとして機能しなければそれは不合格。そうするとこの原発の設計思想に瑕疵があったことになり、人災と言えるのではないかと思った。地震国日本には海水冷却型の原発は海浜で海面近くに建設してあるからこういうことになる。丘の上に建て、海水の冷水塔を使うシステムは高価になり、原発の安さが無意味になるのだ。

公表される情報は不明確で一貫性がない。できるだけ本当のことを知りたいと、情報をあつめ推理したものが本報告書である。

(以下略)




重要カ所だけ抜粋:


●一方2-3号機はいずれも圧力容器は14日と12日に底板貫通部が破損したままで、格納容器と連通していることは同じ。

米DOEは4月1日、1号機の核燃料の70%が破損、2号機は1/3が破損としている。ちなみにスリーマイル島は45%が溶融したとしている。1号機はメルトしたコアが底に溜まっている。2号機は底に穴があいてメルトしたコアの一部が格納容器に落ちている。3号機は底に小さな穴があいている。



●水棺方式は無意味であるばかりでなく、可能でもなく、かえって危険

以上が残留熱除去に関する著者の提案だったが4月18日に東電が発表した計画では格納容器に水を満たして冷やすことにしている。いわゆる水棺方式だ。しかし全ての格納容器は程度の差はあれ漏れている。特にジャジャ漏れの2号機の格納容器に水を満たそうとしても皆流れ出てしまい、始末に負えないだろう。漏れ止めに圧力抑制室のある地下室を水ガラス(珪酸ソーダ)入りのセメントスラリーを注入して固化できるかどうかにかかっている。それができないかぎり、発熱の続く3年間は垂れ流しとなる。1と3号機も本当に水面を上げられるのかどうか?やたらに汚染水を増やしてギブアップするのではないか?



●即発臨界説について

4月26日になりフェアウィンズ・アソシエーツ社のチーフエンジニア アーニー・ガンダー氏(Arnie Gundersen)が3号機原子炉建屋の爆発は水素だけでは説明できず、触発臨界爆発したとするビデオを公表した。ハワイやニューイングランドでアメリシウムやプルトニウムの微粒子が検出されたというのが根拠。4号機のプールの水分析もし、水中カメラで撮影し、燃料棒の無事を確認している。3号機のプールの水分析とか燃料棒の撮影をして無事を確認したとの報道には接していない。4号機で水中カメラで撮影できたなら、3号機でも撮影できそなものであるが公表されていない。障害物で撮影できないのか秘匿しているのかは不明。もし燃料棒が破壊されていればアーニー・ガンダー氏は正しいことになるが水バランスからが燃料棒が露出したとはいえない。アメリシウムは日本では報道されていないが、プルトニウムは見つかっている。両方ともおなじようなものだから当然福島にもでているはず。ではどこからか?それは1-3号機格納容器からもれたものと私は考える。2号機が特に穴が大きく、もれも多い。アメリシウムは高温にならなければ微粒子化しないとガンダー氏はいう。しかし炉内でメルトダウンして高温になれば2,600Cで気化して微粒子になる。これがドライウェルの蓋のガスケットから直接あるいは水に混ざって流れ出したとしても説明できる。黒煙がそれだろう。



●今後どうする?

福島も落ち着き所に落ち着いたようだ。まさに水は低いところにながれる。今東電は循環冷却系を確立して今後数年の循環冷却をしなければと焦り、タービン室に溜まった水を排水しようと努力を傾けているが、まったく地に足がついてないあがきのように見える。

救い出そうという循環ポンプも冷却器も原子力建屋の地下で水没しているはずだ。なぜならベローズは熱膨張を吸収するために薄いステンレス管で作た蛇腹管だから破裂するとすればここ。

炉心冷却用に注入している真水は格納容器のドライウェルとトーラスを連結するベント管のベローズの破裂個所から注入しただけ流れでてくる。この漏れを止める唯一可能な方法は原子力建屋の地下に防水セメントスラリーを高圧泥水ポンプで流し込しこんでベロー管を包んでしまうことであろう。その時溢れてくる水は配管・ケーブル・トレンチから回収しつつセメントを注入することになる。この手法はブローアウトした油田を止める一般的な方法である。米国に優れた技術がある。それまでトレンチは溢れて流出は継続するのでこれを回収しなければならない。結局、原子炉と格納容器内にある水溶性放射性物質は殆ど全部出てくるのではないか。大気に出ないだけ助かっているが海は大変迷惑。いわば巨大な水洗便所の原理だ。水洗便所はリークフリーではないから予期しないところから漏れる。しかしこれも時間がたてば大きな海原が助けてくれのだろう。

一段落した時点で地下の汚染が海に拡散しないように原発周辺に地中50mくらいの深さの遮蔽壁(地中ダム)を構築するハメになると思う。チェルノブイリの石棺より大規模な工事となろう。



●新耐震指針は過少であった

2006年に改訂された新耐震指針では438ガルであったが、2号機で546ガル(想定452ガル)、3号機でも507ガル(想定441ガル)であったという。4月に入ってからの余震の加速度データは4号機しか公表されていない。多分1-3号機は水没しているのだろう。

2007年7月、東京電力の原発研究者が米国マイアミの国際会議で発表したリポートでは、福島原発施設をモデルにして、日本における津波発生と原発への影響を分析している。その内容には、福島
原発の地域は太平洋に面した地震地帯であり、その地域は過去400年に4回、マグニチュード8あるいはそれ以上と思われる巨大地震にさらされていると書かれている、としている。さらに、9メートル以上の津波はおよそ1パーセントかそれ以下の確率で押し寄せる可能性があり、13メートル以上の大津波は0.1パーセントかそれ以下の確率で起こりうるとし、高さ15メートルを超す大津波が発生する可能性も示唆しており、津波の高さが設計の想定を超える可能性が依然としてありうると結論付けている。しかし中央集権的な大組織ではトップの意識が変わらぬかぎり、なにも是正処置は生じない。

日本国家もしかり、政治家の意識が変わらぬ限り、同じことが繰り返される。



●いま原発で作業している作業者数の合計は、 1,238名だそうである。うち東電から450名。


関連記事:
ETV 「ネットワークでつくる放射能汚染地図~福島原発事故から2ヶ月」  似非科学者と似非公共放送局の合作番組   http://furuido.blog.so-net.ne.jp/2011-05-17


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