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グローバル金融ハザードは、グローバル・モラルハザードを呼ぶ   仕組まれた三菱UFJのモルガン買収 [Politics]

正月早々、毎日新聞一面、トップに気分わるくなるような記事:

米政府 異例の謝意
三菱UFJのモルガン銀行出資決断


米国の<異例の謝意>。世界の誰もがビビります、除:ニッポン。


第一部 同盟と自立。。。

毎日新聞としては、特ダネ連載、のつもりか。同盟と自立、が笑わせる。 記事を読むと事実は、ドーメー国=米国へのお追従、あるいは、<威嚇と従属> であることがわかる。

三菱のためじゃない。日米のためにやった。日米だからできた」(日本政府高官)。。。だって。

「三菱のためであり、おれたち族のためにやった。日米従属、だからできた」(馬鹿高官) 、と、言え。


「。。1960年の日米安保改定から間もなく半世紀。軍事・経済・社会・文化まで、同盟は広範に深化してきた。。。」 やれやれ。。


毎日第一面から:

「米国の政・官・民は三菱UFJからの出資をダン(done: 完了)させることで一致していた」(日本政府高官)
日米当局間の折衝は10日夜から断続的に続いた。焦点は、米政府の公的資金投入の方法。10月11日未明、三菱UFJを含む外資が後で損を出さない方法であるとの情報が日本側にもたらされた。


「結局はG(Government)対Gですよ」(三菱UFJ幹部) なにをおっしゃる、政商三菱。


毎日第三面から:

東京の三菱UFJフィナンシャルグループ本店に、米国から極秘情報がもたらされたのは9月23日だった。
同月、三菱UFJ米州本部の検査に入っていたFRBが、翌週中に現地法人の処分を解除する準備をしていると伝えてきたのが根拠だったとわかる。検査は2週間で終わった。


三菱UFJ現地法人は06年にマネーロンダリング監視の一環として「リットン・アグリーメント」(業務改善命令の一種)の処分を受けていた。処分中は金融持ち株会社の認可が得られない。。この資格がなければ、投資業務が自由にできない。三菱は傘下の現地銀行も04年、07年の二度、処分を受けていた。

それで。。

「米系金融機関に投資すれば、業務改善命令を解除する」
日本の大手金融機関幹部は、07年来日した米財務省幹部から「米系金融機関への出資と処分解除はセットだ。。」と示唆されたと証言する。


(略)

FRBの処分が解けない限りは出資できないが、処分は9月30日解除された。三菱UFJは直ちに宿願の米金融持ち株会社設立を申請。認可は10月6日、史上最短で下りた。


嗚呼、悪のトライアングル、悪の枢軸。。。


「モルガンがつぶれていたら今の世界はない。米金融当局やオバマ次期大統領に近い人からも非常に喜ばれたと聞いている」(三菱グループ幹部)。  もちろん、日本政府からも。


嗚呼、どこまで続く政府&銀行のやり放題。
金融ハザードは、モラルハザードを呼ぶ。
グローバル金融ハザードは、グローバル・モラルハザードを呼ぶ。
ワリを喰うのは、属国の預金者・納税者。。。
    
問題を隠すのは、企業、政府からの垂れ流し情報をもとに、チョーチン持ち記事しか書かないマスゴミ。


上記の背景を、田中宇は10月の配信記事で次のように推定していた:

金融危機対策の主導権奪取を狙う英国
2008年10月14日  田中 宇
http://tanakanews.com/081014bank.htm

▼三菱モルガン株購入の政治劇
今回の英主導の米英中心体制蘇生策には、日本もいろいろと協力している。その一つは、おそらく日本政府の要請に基づき、三菱UFJグループが、潰れそうな米投資銀行であるモルガンスタンレーに90億ドルの金をつぎ込んで救済したことである。三菱は10月13日、一株あたり25ドルを払ってモルガンの株の21%を買ったが、モルガン株の先週の最安値は7ドルまで下がっていた(13日の株価は15ドル)。来週まで待てば、モルガン株はまた下がるかもしれないのに、三菱は、安値の4倍近い価格を、平然と、しかも予定より1日前倒しして13日に払い込んだ。

 三菱は、購入するモルガン株の優先株と普通株の割合を変えたりして、自行が負うリスクの軽減を試みた観があるが、一株あたりの価格は明らかに高すぎる。三菱の経営陣は間抜けではないだろうから、政治的な裏があるはずだ。日本政府が頼むとしたら、その相手が国内最大手の三菱になるのは自然だ。対米従属を持続したい日本政府は、金融崩壊で米国の覇権が失われ、日米安保体制が失われるのが怖いはずだ。リーマンに続いてモルガンも潰れたら、CDSなどデリバティブも絡んで、米金融界全体に巨額の損失が上乗せされて金融崩壊に近づき、米覇権の喪失の懸念が増す。モルガン崩壊を防ぐため、日本政府は三菱に金を出させたのだろう。

 三菱が一株7ドルで90億ドル分買うと、モルガン株の6割以上が買えて、モルガンは三菱のものになる。しかしモルガン側は、資金はほしいが主導権は日本人に渡したくなかった。その一方で日本政府は、自滅的ポールソンがモルガンを潰し、米覇権を崩壊させていくのを傍観したくなかった。そこで、割高な値段で三菱がモルガン株を買うという茶番劇になったのだろう。

 今後、金融危機が深化していくと、近いうちにモルガンは再び危機的状態に陥る。三菱が入れた金ではモルガンは救いきれない。ひょっとすると、いずれモルガンは潰れ、三菱は巨額の損失を被る。米政府は銀行への資本注入策を始めれば、モルガンはその対象となり、救済されるかもしれないが、その場合、米政府が注入する資本金によってモルガンの一株あたりの利益が落ち、三菱の利得は減る。米政府は、三菱がその手の損しないよう配慮すると確約したが、そもそも歴史的役割をすでに終えた投資銀行を米政府が救済するのかどうかも不透明だ。三菱のモルガン株購入は、非常にリスクの高い賭けになっており、その分、日本政府は三菱に恩義を負ったことになる。

 このほか、日本政府は先週末のG7会議に際し、日本の外貨準備を金融危機の解消のための(対米?)救済金の一部として使いたいと申し出たりして、対米従属維持のため、日本人の税金や預金を米国救済のために浪費しようとする姿勢を強めた。しかし、米政府は日本の申し出を断った。その断り方が、また隠れ多極主義的で興味深い。日本政府高官がワシントンのG7会議に赴き「日本の金で米を救いたい」と申し出たとたん、米政府は、日本に相談せずに北朝鮮をテロ支援国家リストから解除する挙に出た。日本側は、日本に相談なしに挙行されたと、怒りの表明をした。米政府の奇行のおかげで、日本政府が国民の金を米金融危機のどぶに投げ込んで浪費する事態は回避された。

 米政府は、中国に米国債を買い増ししてもらう必要が急拡大する中で、7年間凍結してきた台湾への兵器売却を突然に決め、中国政府を不必要に激怒させるなど、日本に対してやったのと同種の自滅的な行動を、中国に対してもやっている


田中宇は、

>米政府は、三菱がその手の損しないよう配慮すると確約したが、そもそも歴史的役割をすでに終えた投資銀行を米政府が救済するのかどうかも不透明だ。三菱のモルガン株購入は、非常にリスクの高い賭けになっており、その分、日本政府は三菱に恩義を負ったことになる

。。と言っているが、意味不明。三菱の決定は、株主から抗議が続出するのではないかと、10月当時は誰も思ったはずだ。なにが、恩義、なのだろうか?三菱が、政府に恩義を売ったのではないの? どっちにしても、納税者=預金者、はタマランで。
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armadillo

ご無沙汰してます、わたしも何とか生き延びていますが今年もよろしく!
本当に腹が立つことばかりですが。。。。
町山さんが昨年末にyoutubeのニーナ・シモンの歌を紹介していたんですがそれがとってもよかったので、ここにアドレス貼り付けておきますね。
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20081225

今年も健筆、期待してます。ではまた。
by armadillo (2009-01-05 15:55) 

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