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健忘症の季節 [戦争・原爆]

いま『ヒバクシャからの手紙』、をNHK総合が放映している。
http://www.nhk.or.jp/hiroshima/tegami/

番組案内:
ヒバクシャからの手紙~そして ヒバクシャへの手紙~ 
放送日 :2010年 8月 9日(月)
放送時間 :午前0:10~午前1:00(50分) 
番組HP:
http://www.nhk.or.jp/hiroshima/tegami/

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広島・長崎に原爆が投下されて65年。忘れられないあの日の光景、大切な人を失った心の傷、その後の差別。被爆者から寄せられた「手紙」を生放送で朗読する。
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写真家…大石芳野,【司会】周山制洋,【朗読】杉浦圭子,塩屋紀克 ~NHK広島放送局・広島平和公園・長崎平和公園から中継~
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いかにもNHK好みの番組である。この内容なら世界のどの国の視聴者からも政府からも抗議は来ないだろう。安心して放映できる。

原爆被害者やその家族からの手紙を読み上げる番組。
歴史を知らない人がこの番組を聴くとゲンバクとは自然災害(神戸地震、新潟地震などの)だろうか?と思うだろう。いや、NHKの企画担当者も実際、ゲンバクを自然災害と思っているのだろう。

原爆とは自然災害ではない。戦争犯罪である。
ヒバクシャの手紙、と言うな。戦争犯罪被害者の手紙と言え。

まるで吉永小百合の原爆詩朗読である(NHK好み、の番組)。

たまには、。。
中国の、朝鮮の、フィリピンの、マレイの、台湾の、シンガポールの戦争犯罪被害者からの手紙を海外からも募集、翻訳・朗読、さらに当地の天皇・日本軍による侵略戦争被害を詠んだ詩も朗読したらどうか。

毎年8月のこの季節は、戦争加害者であることを忘れたい人々が跋扈する、健忘症の季節。


『米軍占領下の原爆調査』の著者、笹本征雄へのインタビュー(2005年)の一節:

> 原爆を作って、投下したのはアメリカです。この「アメリカ」という主語、つまり行為主体としてのアメリカというのが大事です。その集会で僕が一番感動したのは、ブラジルから来た被爆者の盆子原邦彦さんの挨拶なんです。彼は、原爆を投下したアメリカ政府に対する批判をはっきり「アメリカ政府」という言葉を使って言うわけです。日本政府についても「日本政府」とはっきり言いまして、「日本政府」は自分たちを含めた被爆者を差別してきた、放置してきたと指摘しました。もっと感動的だったのが、自分は日本人だが、少なくとも歴史的に考えれば韓国人被爆者の援護は私たちより先にあるべきだと言ったことです。日本の植民地支配によって「強制連行」などで日本に渡ってきた人たちは、日本人より先に援護されるべきだと盆子原さんはおっしゃった。僕は非常に感動した。つまり、彼はアメリカを主語にして語ることができたんです。その後女性だけが集まった分科会にも出ました。一人のフィリピンから来たフィリピン人の老女性がタガログ語で話したのですが、彼女もやっぱり主語をはっきり言いました。「私の村に、1944年11月23日に日本軍が侵略してきた。その時私は13歳だった。日本兵が私を陵辱した」と。「日本軍、日本兵」と明確に言うわけです。

笹本征男さん 占領下の原爆調査が意味するもの(上)
http://www.csij.org/archives/2007/02/interview5.html

 

わたしの母もそうだが、原爆被害を受けた人々(そう国家から認定された人)は俗にいう『原爆手帖』が公布され、医療費はすべて無料になっている。日本の国税から医療費が支給されるのだ。戦争は人災である、自然災害ではない。人災による、しかも、犯罪行為である市民に対する意図的攻撃による被害をなぜ、被害者自身の金でまかなわねばならぬのか、という疑問を持ったことがあるか。あたかもこういう疑問など持ってはならない、それは国是にハンする、がこの国の常識のようである。

 

戦争の勝敗とは無関係に、戦争犯罪被害(一般市民に対する加害)は、加害国が、被害者個人に対して全面的に(対物、対人の)賠償責任を、時効無く、負う、と国際規定をもうけるべきである。これを国連で宣言せよ。この規定がないから、軍事大国が平気で(賠償責任のことなどまったく考慮せず)他国の一般市民を殺し、戦争犯罪が尽きることがないのだ。交通事故で人を殺傷し、財産を損壊すしても賠償責任が無いのであれば無謀運転の尽きることはないだろう。同じことである。

自然災害の報道には、災害の予知法、予防法も合わせて報道する。核戦争を防ぐには、<核抑止力>は必須です(ニッポン政府が戦後、ずっと米国から押し付けられ、嬉々として米国からアウトソース=購入、している)、とでも言うのか。

 

松岡環編著 『南京戦  閉ざされた記憶を訪ねて』
http://furuido.blog.so-net.ne.jp/2007-03-11


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