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KYなTOYOTA  会社はトップで決まる [Ethics]

豊田社長が(というより取り巻きが)米国公聴会への出席を拒否しているようである。

大正解だ。

この社長では公聴会に出ろ、というのは無理。大恥をかくだけだろう。日本の国会参考人招致や証人喚問とはわけがちがう。先日の記者会見(東京)も用意した原稿を読むだけであった。

仮に公聴会に出席したしたとする。世界のユーザや株主から、「なぜ、こんなバカが社長やっているの?」と不思議がられ、呆れられたろう。(まあ、それも悪くはないが)。さすがにトヨタの幹部連も現社長の能力をよく知っているのだろう。人前に出せるシロモノではない、と。

かなり無理な想像ではあるが、本田宗一郎が社長をやっていたころ、米国議会から公聴会に出ろと要請されたら意気揚々と乗り込んだのではあるまいか。公聴会はネットで世界の誰もが見ることができる。絶好の宣伝の場所を与えてくれるのである。英語をしゃべる必要はない。社内の優秀な通訳を連れて行けばいいのである。宗一郎なら、言葉を越えて訴えるモノがある。人間力は万国共通である。なにより、宗一郎は商品(バイクやクルマ)を社内の誰にも引けを取らないくらいよく知っていた。彼は工場に出向いて新製品のプレゼンを担当者にさせ、議論した。当然のことではあるまいか?18才の若者から80歳の爺さん婆さんまで運転しなければならない商品を販売するのだから。薬や化粧品の会社ではない。誰もがユーザとなりうるクルマを売っているのである。公聴会に出席するのが怖いのか?いずれにしても、事実は曝露されるのである。パブリシティを知らない、ということはグローバル時代を生き抜けないということだ。いまごろになって議論することではないが。宗一郎が一生悔やんだのは社名に創業者の名前を冠したことであった。

今月初め、米国のPBS(Public Broadcast Station、日本のNHKのようなもの、ただし、クオリティは段違い。NHKのニュース番組は報道とは呼べない)がトヨタ問題を取り上げたとき、キャスターはトヨタにも出演を依頼したが拒否されました、と伝えた。さらに、トヨタはこの番組(PBSニュースアワー)のスポンサーです、とも伝えた。

創業者一族を社長や重役にするトヨタのKY体質をつくりあげたのは誰か?日本のマスゴミと官庁である。マスゴミはトヨタの広告代欲しさにトヨタ車の品質問題を一切報道しなかった。国交省は問題を把握しながらデータを公開しなかった(ただし、品質問題を隠したのはトヨタだけではない。全メーカに及ぶ。情報隠しは構造問題である)。『トヨタの闇』(2007)という本(あまり上出来とも思えないが、事実の一端は伝えてくれる)を読んだが、広告費を餌にした、官庁と一体になったマスゴミのリコール隠しは猛烈なものである。日経新聞=大企業の広報誌は、『トヨタの闇』の広告を紙面に掲載するのを拒否した。かりに米国で騒がれなかったら、トヨタは引き続いて、日本のマスゴミや、国交省を恫喝し、リコール隠しを継続したろう。外圧に弱いのは、マスゴミ+企業+官庁の伝統である。

会社の幹部連から検閲を受けた原稿を棒読みするしかない社長では、とうてい、グローバルな時代を乗り切れない。トヨタが生き残りたかったらすぐに社長を解任するしかあるまい。こんな社長でグローバル時代を乗り切ろうとしたのだろうか?理解を絶する。部長、課長以下の従業員から叛乱は起こらないのか?

グローバル時代における企業トップの条件。そのひとつは、外国の議会(国民の代表だ)から公聴会出席を求められたら、すぐさま、単身乗り込んで、論理でもって相手を説得し倒す能力があること。この能力を身につけるにあたり、日本社会は最悪の条件を備えている。トップの条件、と書いたが別にトップだけじゃない、担当者であっても国際ビジネスシーンでは同じ能力(あるいはそれ以上)が要求されるのである。例外は競争のない(と思い込んでいる)現在のニッポンの独占マスゴミ。早晩来る崩壊に備えてクビを洗って待ってナサイね。こういう社長を選任した企業をチヤホヤし続けたニッポンのマスゴミ(や株主)に対しても世界から、NO!が突きつけられている、ということを悟り、恥じている業界人やマスゴミ関係者がいるとはおもいたくない。

トヨタ品質問題、トヨタ対マスゴミ問題はグローバル時代におけるニッポン問題の縮小再生産である。

##

『週刊東洋経済』2006年7月29日号がトヨタ品質問題に切り込んでいるのを最近知った。現在の事態を予知している。

ブログ記事を引用:

[特集]トヨタが疲れている!!-最強の現場は疲れている!-トヨタの異変 崩れた品質神話
http://toyota1.exblog.jp/9669419/


純益1兆円超えの好決算を連発し、日本中の企業が経営の手本と崇めるトヨタ自動車。その最強軍団で何かが狂い始めた。リコールの急増や現場の疲弊が伝えるのは、トヨタ最大の拠り所である品質の陰り。トヨタ自身、多くを語ろうとしないこの根幹の問題に、本誌は総力分析を試みた。あぶり出された姿とは……。
本誌:長谷川高宏、野村明弘、梅咲恵司
撮影:尾形文繁、吉野純治、今 祥雄
異変1 リコールが過去最悪のペースで急増
異変2 欠陥放置で品質保証部長など3人が書類送検
異変3 米国ではクライスラーを上回るリコール発生
異変4 下請け部品メーカーの従業員に「労災」で訴えられる
異変5 米国の品質ランキングで現代自動車に抜かれる
異変6 レクサスの国内販売は予想外の大苦戦
異変7 既存の労働組合とは別の第2労組が発足へ
 トヨタがおかしい。世間がそう感じ始めた矢先の出来事だった。
 7月11日、衝撃的なニュースが飛び込んできた。欠陥車を放置し、人身事故を起こしたとして、トヨタの元品質保証部長など3人が書類送検されたのだ。事件を担当したのは、4年前に三菱自動車のリコール隠しを摘発した熊本県警。日本中がその経営手法を学ぼうとするトヨタの信じられない不祥事だ。
 トヨタは弱り目にたたり目である。米セクハラ訴訟、国内レクサス不振……。ただでさえバッドニュースが重なる。そしてあろうことか、ここに来て大規模リコールが頻発。金看板だったはずの品質までもが世間に広く問題視され始めた。5月の決算発表では、社長の渡辺捷昭自ら「品質はわれわれの命脈。社長として解決すべき重要なテーマ。新年度の方針でも第一に取り上げる」と改善を力説したばかり。そんなさなかに起きた刑事事件は、トヨタの高品質イメージを根底から揺さぶりかねない。
 長年、品質はトヨタの存立基盤として機能してきた。「トヨタ車は壊れにくい」。そんな共通認識がユーザーの間にあるからこそ、米GM(ゼネラル・モーターズ)を追い落とすほどの成長も成し遂げることができたはずだ。
 特にドル箱市場の北米は経済合理性を重んじる地域。壊れにくいトヨタ車は中古車市場で値崩れせず、下取り価格を高く維持できる。だから、リセールバリューを第一に考える米国人にトヨタ車は人気がある。下取り価格が高ければ新車を売るときの値引きも少なく、利益も増える。まさに高品質による好循環が成立している。
 しかも、これはトヨタ車に限ったことではない。高級車のレクサスも「壊れにくい」と考えられているからこそ、メルセデス・ベンツやBMWを従え、米高級車市場の販売トップに君臨することができた。品質がトヨタのレゾンデートルであることは紛れもない事実である。
 しかし、好循環が永遠に続くかといえば、そんな保証はどこにもない。品質イメージが少しでも落ちれば、正の循環は負のスパイラルへと一気に転げ落ちていく。近年、品質が向上した米ビッグスリーは過去の悪いイメージが払拭できず、今も販売不振から脱出できない。品質イメージの低下は業績の悪化に直結する。
 株式市場もトヨタの品質問題を注視している。事件を受けてゴールドマン・サックス証券が発表したリポートには、リスク要因としてこんな文言が盛り込まれた。
 「トヨタの勝ちパターンは高品質に裏付けされた消費者からの絶対的信頼にある。これが崩れると(販売)スケールは多大なコスト負担に変貌する」

(以下略)

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日本の国債問題(格付け下落)もマスゴミが不思議なほどさわがない。日本の「夕張化」は経済学者の関心の外のようである。

 

追記:5:30pm 2/19

米議会からの公聴会招請レター(参考人として)を受け、豊田社長が喜んで出席する旨の表明を記者会見でやった@名古屋。あまりに鈍感な初期対応を反省したのか?これほど日本国内、米国、他の国々から注目を浴びる公聴会もめったになかろう。乾坤一擲、背水の陣。社内であらゆる想定問答を作成し、猛特訓した後、さすが、グローバル企業の社長は違う、と世界のユーザや企業人、株主、とくに米国のトヨタで働く16万人の従業員を唸らせる誠実さと、模範となるような回答、意見を 表明してほしいものである。売った物には最後まで責任を持つ。これを表明し、ユーザを安心させれば、ユーザは逃げまい。日本の国交省は、音無しの構えか?責任はないのか?

 

トヨタHPのFAQ。今回のリコールについて。

http://www.toyota.co.jp/jp/faq/toyota/recall.html

社内で試験をしたのか?なぜ、出荷前に発見できなかったのか?国交省には何を報告したのか、日本のユーザから苦情は受けていないのか、いつごろからどのような苦情が、どのくらいあったのか、それに対して貴社はどう対応したのか、のような質問は当然でてくるだろう。

 

PBSニュースアワー

http://www.pbs.org/

http://www.pbs.org/newshour/bb/transportation/jan-june10/toyota_02-09.html

 

 


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コメント 3

タツ

公聴会での豊田社長、歯並びが悪いのは意外でした。アメリカは歯にお金をかけるのがステイタスの国らしいから、お金持ちぶらない風貌が、誠実な姿勢とマッチしていたような映像でした。
歯医者さんに行く時間もないほどお忙しかったのかな。

by タツ (2010-02-28 14:26) 

野次馬

古井戸さんに辛口批評された人物は、それを励みに潜在能力を開花させる傾向を見受けます。

切られるうちが花なのよ。萎びた花なぞ切りはせぬ。

外野席の野次を気にせず、これからもバッサリやってください。

どうぞ、お元気で。

by 野次馬 (2010-03-15 19:06) 

古井戸

>歯並びが悪いのは意外でした.

歯まで目が行き届きませんでした。
トヨタ関係者の前の挨拶で何度も泣いた。これは余計だった。
 

by 古井戸 (2010-03-22 11:33) 

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