まかり通る別件逮捕 検察に追随するマスゴミと共産党

１月１７日の毎日新聞社説。あいもかわらぬ検察への追随ぶりである。いわく、

　　　説明を欠く続投は許さぬ

http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20100117k0000m070100000c.html

社説によれば、

「事件をめぐる小沢氏のこれまでの説明は説得力に乏しく不十分であり、このまま幹事長職にとどまろうとしても、国民の理解は得られまい。潔白を主張するのであれば、国会などの場で自ら進んで説明する責任をまずは最低限、果たすべきである」

しかし、

「東京地検特捜部が私設秘書だった石川知裕衆院議員らを政治資金規制法違反容疑で逮捕した」のであって、そもそも帳簿不記載容疑程度で逮捕などをやるべきでない、なぜ裁判所が逮捕を認めたのか、とまず、民主党もマスゴミも抗議すべきではないのか？

特捜がやっているのは別件逮捕である。社説は、検察のココロを忖度して書いている：

「石川議員らの逮捕容疑は土地取得資金の４億円を報告書に記載しなかったことなのだ。だが、重要なのはその原資が「胆沢ダム」下請け工事受注をめぐるゼネコンからの裏献金ではないか、との疑惑がもたれている点にある」

疑惑をもっているのは＜検察＞であり、毎日新聞は何も説明しない検察の＜報道部門＞として、現時点で証拠もない裏献金に、疑惑あり、という印象を国民にふりまいているのである。小沢本人に裏献金（請求＝贈収賄）の証拠があればただちに小沢を逮捕すればいいだろう。しかし、昨年の家宅捜査でもなんの証拠が得られなかった、その後、疑わしい企業を追求しても確たる証拠がない、ええい、国会審議が始まる前にまず、二人逮捕して、別々に取り調べて、締め上げれば吐くだろう、。。おおかたそんなところじゃないのか？と、ふつうの国民なら考えるだろう。いつもの検察・警察のやりくちである。

マスゴミのやることは、

説明を欠く別件逮捕は許さぬ

と、検察と裁判所に抗議することではないのか。

自白に頼った、この程度の微罪で政治屋から＜続投＞を奪うことができるのなら特捜にとってこれほど易き商売もない。一般庶民の逮捕、拘禁はいとも簡単ということになる。マスゴミがこの程度だから、日本から冤罪が減らないのだ。

そもそも、ダム建設があれば、政治屋がまとわりついて汚い金を巡るウワサは絶えない（そうでない、公共工事があったら知りたいものである）。毎日新聞は第三面で昨日に続いて「小沢マネー」特集。

「あいさつなしか」　

ゼネコンを威圧　という大見出しのもとに書いている：

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100117ddm041010074000c.html

「西松建設の元幹部は、東北地方の公共工事で現地の幹部が「談合の仕切り役」とされる鹿島東北支店の担当役員にささやかれて身震いした様子を証言した。「おたくは胆沢ダムいらないの？怒ってるよ」。ささやかれた幹部は、どこが怒っているのかすぐわかった。小沢一郎民主党幹事長の公設第一秘書大久保隆規容疑者＝公判中、１６日に政治資金規制法違反容疑で逮捕＝を訪問し平謝りしたという」

この特集記事は毎日新聞が随分前から用意していたものである。なぜ、昨年選挙前にこの記事を掲載しなかったのか？新聞が調査しているのなら検察の別件逮捕に追随せずに、独自に報道したらどうか？小沢が怖いのか？検察ににらまれたくないのか？

昨日紹介した筑紫哲也『メディアと権力 -- 多事争論』にこういう記事があった。

1993年9月8日（水）　　　白黒

　ふだんはアメリカに住んでいる人が、たまたま日本に来て、例の角川春樹事件の一部始終を見て、大変興味深いし、ショックだったと語っておりました。コカイン、麻薬を吸ったり、買ったりしたことは、これはもう明白に悪いんですけれども、しかしそれがもとでなぜ角川春樹制作のヒット中の映画までが公開中止になってしまうのか、それが分からない、と言うのでした。

　つまり犯罪は犯罪でありますけれども、要するに裁判で有罪になるまでは無罪の筈です。にもかかわらず、そういうことが行われるのは、言論の自由、表現の自由という考え方からすれば、アメリカでは考えられない話だ、というショックを受けたそうです。

　きのう私は、ヨーロッパと比較してアメリカの文化が、ある意味で黒白をあまりにもはっきりとつけすぎる、そこに浅さがあるんじゃないか、と批判めいたことを言いましたが、黒白をつける以上は、例えば裁判で有罪が決まるまでは無罪とか、そういう形で決め、作った映画、あるいは出版物と、本人のやることの間にも一つの線を引くことが出来ます。ですから黒白をつけることも必ずしも悪いことばかりではありません。

　そういう、アメリカとヨーロッパとの比較の中で、私たちの状況を考えてみますと、文化の質の違いが浮かび上がってきます。

注：この年、角川映画＜ＲＥＸ・恐竜物語＞が大々的なヒットを続けているにもかかわらず、この映画のプロデューサー兼監督の角川春樹がコカイン疑惑で逮捕されたのを理由に９月１０日で上映が打ち切られた。

＃

ＴＶニュースでは、共産党志位委員長が、小沢氏は国会で説明責任を果たすべきである、参考人招致も辞さない！と溌剌と話していた。先日の夕刊で、志位は、「オバマ氏に会いに行く」とはしゃいでいた。共産党員が戦前あるいは戦争直後、警察からどういう眼にあったかスッカリ忘れているようだ。オメデタイはなしである。

 

関連記事：

暗黒裁判の国、日本。　『公認会計士ｖｓ特捜検察』　細野祐二
http://furuido.blog.so-net.ne.jp/2007-12-09

検察スポークスマンになりさがった男　立花隆
http://furuido.blog.so-net.ne.jp/2009-04-26

コメント 9

古井戸さん、お元気そうで何よりです。たくさんのファンの方々とともに、お喜び申し上げます。

さて、現職総理が煽っている検察軍団VS．小沢さんの「戦い」ってなんでしょう？　わけがわかんないんですけど、今年も相変わらず平安京の歴史研究を続けている高塚タツは、「胆沢」というのが、坂上田村麻呂がアテルイを成敗して「鎮守府」なるものをこしらえた地名と気づきました。
アテルイの怨念を背負った奥州人が、ついに、征夷大将軍と最終決戦です。

で、古井戸さんは、どっちを応援するんですか？

（検察を動かしている征夷大将軍は誰か？　そこを見極めなっきゃね。）

by タツ (2010-01-18 12:00) 

>現職総理が煽っている検察軍団VS．小沢さんの「戦い」って..

ハトヤマが煽っている？

検察に挙げられれば、まともな頭脳の持ち主なら戦うでしょう。ハトヤマはかなりまともなことを言っていますよ。

ドッチを応援するか、ッテ話じゃないと思いますが。検察のやり方は違法だ、と言っているだけ。小沢やハトヤマのような人間が棲息しているのは国民にとって不幸なことだが、この記事には関係なし。

この程度の金額を帳簿不記載というだけで拘禁できる（拘禁されたらマスゴミが大騒ぎする）のなら自民党の議員はほとんど全員拘禁できるでしょう。検察の背後にはCIAがついてるの？と疑いたくなりまするよ。
by 古井戸 (2010-01-18 15:14) 

石川議員の拘禁は、（彼が自殺に追い込まれたり、自殺に見せかけて消されないよう保護されたという意味で、）ご親族には安心なことと思います。
どうせ劇場のなかの権力闘争なんだから、（太平洋戦争のように）若い生命を散らさないように、お年寄りだけでやっていただきたいものです。

＞ハトヤマはかなりまともなことを言っていますよ。

ますます期待しちゃいます。



by タツ (2010-01-18 20:41) 

お久しぶりです。
だいぶお怒りのようですね。小生も同様ですが。

>検察のやり方は違法だ、と言っているだけ。
>小沢やハトヤマのような人間が棲息しているのは国民にとって不幸なことだが、この記事には関係なし。

まったく同感です。
小生も血圧が上がって、昨夜の日記まで公開しましたが、感情が先立って、他人様が読むとわかりにくい文章のままアップしました。
さきほど、文脈はそのままに少しリライトしましたので、『滴水亭』へも、お運びください。
「小沢よ、参考人招致を受諾して、逆襲しろ」という論旨ですが、けさほどからの情報によると、検察の事情聴取を受けることにしたみたいです。
案外、小沢も小人物でしたね。
by 滴水 (2010-01-19 15:14) 

>案外、小沢も小人物でしたね。

逮捕すればCIA＆米政府が喜ぶだけでしょう。
わたしは阿吽の呼吸の裏取引があった、とおもいます。事情聴取しなかったからといって、まさか、幹事長をしょっ引くわけにはいかない（国会会期中であるし）。双方が、手詰まりになります。

不思議なのは立花隆が依然として小沢辞任を主張しているらしいこと（あまりこれを言い張っていると、ロッキード事件の論理構築もあやしいのじゃないか、と疑いたくなる。ロッキード事件は前記のようにCIA主導です）。

小沢だからこの程度（拘留＝逮捕無し）ですむが、これが一般人だったらどうなるか？関連記事に載せた細野祐二さんの例が示しています。民主党が早く、取り調べの録音録画を立法化していないからこういうことになる。この時点で立法化しようとすれば、テメエがやられたらやっと立ちあがるのか？ということになる。

反＝小沢グループもこういう事件がおこって立ちあがっては節操を疑われる。普段からやるべきことはサッサと手を打て、言いたいことはその場で言え、準備万端おこたりなく、ってことですね。
by 古井戸 (2010-01-19 16:07) 

＞「小沢よ、参考人招致を受諾して、逆襲しろ」

質問にたつ自民党議員、その他の妖しい議員の裏献金を次々暴いていけばオモロイですなあ。
by 古井戸 (2010-01-19 16:10) 

古井戸さんは「田中角栄 封じられた資源戦略」をお読みになったのですか？
小生はまだ読んでいないのですが、一時期、渡部昇一あたりが田中擁護論を主張してましたよね。ワタショーなんかが言うから、全然信用してなかった（^^;）。
いささか異常な「小沢つぶし」が、民主党対霞が関官僚なのか、もう少し深い・・・安保見直し論（ＣＩＡ最期の戦いのはじまり）なのかは、まだ不明ですね。
ところで、小沢が通常国会が始まるや一転して事情聴取に応ずるとしたのは、金丸逮捕の記憶があるからかもしれないと昨日思いました。
金丸は聴取に続けて逮捕され、家宅捜索で金の延べ棒が出てきたりしてジエンドになった。一応、いまなら、国会開会中につき、不逮捕特権があるから、聴取内容でやばくなってもとりあえず帰宅はできるはず。
検察は小沢の妻にも聴取を要請しているとか。収賄は職務権限なしだから不可とのことなので、脱税の行くのでしょうかね。それにしては国税庁が静かなような・・・、このあたりこそ、大騒ぎしているマスコミさんに突っ込んで欲しいのに、相変わらず検察リークだけでニュースを作っている・・・、ほんと堕落しましたな、ホードーさんは。
閑話休題。
お昼のニュースを見ていたら、自民党の浜田靖一が「かつての民主党ではないのか」と得意そうに言ってました。「かつての自民党ではないのか」とまぜかえしたくなりましたね、呵々。
by 滴水 (2010-01-20 15:14) 

＞「田中角栄 封じられた資源戦略」
読んでいません。文明子『朴セイキと金大中』（共同通信）のｐ１８９につぎのやりとりがあります。

記者「田中は長続きしますかね？」
キッシンジャーは大変傲慢な姿勢で答えた「田中程度なら、いつでも取り替えられる」
瞬間わたし（金明子）はひどくうろたえた。キッシンジャーは言葉を続けた。
「彼はあまりにも生意気だ。米国の後を追って日中関係を改善する程度ならよいが、米国を差し置いて日中関係を改善してしまった」
（７３年、米国は中米関係を正常化したが、台湾との関係を切らなかったが、田中は台湾と断交してしまった、ことを指す）

金明子「ヘンリー、ロッキード事件もあなたが起こしたのじゃないのですか？」
わたしはいまだにその時、彼の答えた表情を忘れることができない。
キッシンジャー「Of Course」

>「かつての自民党ではないのか」とまぜかえしたくなりましたね

「民主党政権を許すな！自民党の再来だ！」。。とゆーポスターを昨年の衆院選挙前に描いて自民党を応援しました。
http://furuido.blog.so-net.ne.jp/2009-08-26


今日産経新聞だったかで、小沢、大久保、石川、の写真をみたが。。。とくに大久保と小沢は悪相ですなあ。。ハトヤマはマヌケ顔だし。

by 古井戸 (2010-01-20 21:32) 

＞ところで、小沢が通常国会が始まるや一転して事情聴取に応ずるとしたのは、金丸逮捕の記憶があるからかもしれないと昨日思いました。

単純に支持率が下がったからじゃないでしょうか。
参院選がやばいと、過半数取らないと、もろに、俺の責任になる、党役員をやめニャならない。そのとき、党を割って政界再編に打って出るには俺の体力・精神力はもたん。。。と。

さっきのニュースで、韓国の防衛大臣が、北が核弾頭をぶっ放す気配を感じたら、こっちから北の核施設に先制攻撃をしかける！と、放言してましたね。　日本の防衛省＆ベーコクは拍手喝采。。というか、米軍がしかけたヤラセじゃないでしょうか。
by 古井戸 (2010-01-20 21:39)