SSブログ

金大中 獄中書簡 [魂]

金大中は獄中から息子達に書簡を書いた。獄中からの手紙はもちろん検閲されるし、長さにも制限がある。一月に二回だけ許可される。この悪条件で金大中は子どもたちのために米粒大の小さな文字で書き続けた。書き損じの捨てられた手紙を牢番が拾って読んで感動したほどの内容。参考書など牢屋にはないはずだが、これからこの本(古典が多い)を読みなさいと子どもたちに課題を示しており金大中の蓄積した読書量のスゴサが伝わった。獄中書簡として出版された(岩波)。80年前後だったか?


金大中の大統領就任式(97年)はTV中継を観た。就任演説は、わたしが生涯聞いたライブの演説では最高のものだった(オバマなど足元にも及ばない)。もちろん原稿など読まず、ゆっくりと、国民に諄々とおのれの信念を語った。威厳があり、堂々としていた。言葉が浮ついていない、言葉を従えているのである(金大中のようなニンゲンにとって、スピーチライターの書いた原稿を読むなどおよそ、考えられないことだろう)


金大中拉致事件(73年8月)はニッポン国にとって恥ずべき事件。韓国CIAが計画的に都内のホテルから金大中氏を拉致したことが明白なのに原状回復(ニッポンに連れ戻すこと)を放棄した政府の弱腰。ニッポン(政府も国民も)が国際的な笑い物になった。自国で拉致が発生したのに調査も原状回復も要求せず、政府国民とも泣き寝入り、知らん顔なのはニッポンだけだろう(北朝鮮に対しては、拉致問題、ユルさん、えけん!、と、騒ぐ格好だけをしているが相手にされないのは当たり前である)。ニッポンは主権国だ!と言いたいのなら態度をもって示せ。どんな小国でも他国の国家権力犯罪が白昼堂々行われたら、国交断絶、断固抗議するに決まっている。


生涯に6回投獄され、死刑判決まで受けた。海外(米国)逃亡生活3年。凄まじい人生であった。


8月17日深夜逝去、85歳。
nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(1) 

nice! 0

コメント 4

滴水

ご無沙汰しております。
北朝鮮による日本人拉致事件がいつ頃から始まったかははっきりしません。(WIKIPEDIAは「70年代後半になってからではないか」と書いています)
金大中事件は73年のことです。
首都のお膝元から、外国人とはいえ著名な政治家が拉致されたというのに、なんら「毅然たる処置」(北朝鮮ヒステリーの方がよく使うお言葉)をとることがない日本政府の姿勢を見て、北朝鮮の「拉致実行組織」が、おおいに勇気づけられ、計画・実行にあたることができたであろうことは、想像に難くありません。
金大中事件は、北朝鮮による拉致事件の無視し得ない「影の原点」であると、わたしはずっと思っております。誰も、こんなことは言わないようですが・・・。
ちなみに、有名な「アイヒマン逮捕」のとき、アルゼンチン政府はイスラエルとの国交を断絶し、安保理事会に提訴しました。最終的にイスラエルはアルゼンチンに陳謝の上、賠償金を支払い決着したそうです。
金大中事件に似た事件としては、KCIAが、金大中事件の数年前、韓国からの留学生を拉致し、本国に連れ戻したという事件がありました。
当時の西ドイツ政府は、韓国の駐西ドイツ大使館員を追放処分するとともに、経済援助を中止する処置をとりました。両国の関係が正常化されたのは留学生全員が西ドイツに戻されてからで、それは金大中事件発生の2年前のことでした。
これらを考え合わせれば、いかに自民党政権というものが、「毅然たる姿勢」をとることができない、軟体動物のような政権であり続けたかということが、よ~く、わかります。
そして、不思議なことに、最近、「毅然たる姿勢」を強調される方のほとんどすべてが、金大中事件の「政治決着」について口をぬぐっておいでです。
by 滴水 (2009-08-21 15:33) 

古井戸

>金大中事件の「政治決着」について口をぬぐっておいでです

口を拭っているのは韓国政府もそうですね。一切合切を日本や国民に知らせ、謝罪したでしょうか?韓国が北朝鮮の拉致に軟弱なのも、同胞故の心情、とばかりは言えないと思います。

毅然とした態度をとること。己の信条を断固譲らぬこと。これは万国の民から信頼される基本です。経済力が落ち目な上に、国家として信頼に欠けていたのではニッポンの立つ瀬はないですなあ。

合掌。
by 古井戸 (2009-08-21 19:05) 

そりゃないよ獣医さん

そんなことございません。
北は明らかに、金大中事件を見て、これならわしらもできると思ったのです。私の意見です。

http://okaiken.blog.ocn.ne.jp/060607/2009/08/post_4dea.html
by そりゃないよ獣医さん (2009-08-22 23:19) 

古井戸

金大中事件がなくても、ニッポン国自体が、ラチ状態でっせ。
戦後。

KCIAとCIAの草刈り場。
by 古井戸 (2009-08-23 10:20) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。