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大佛次郎論壇賞、湯浅誠氏の『反貧困』に <反=社会>賞をケーダンレンが同時受賞 [Book_review]

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大佛次郎論壇賞、湯浅誠氏の『反貧困』に
http://www.asahi.com/culture/update/1213/TKY200812130197.html

第8回大佛次郎論壇賞(朝日新聞社主催)は、反貧困ネットワーク事務局長、湯浅誠氏(39)の『反貧困――「すべり台社会」からの脱出』(岩波新書、税込み777円)に決まった。賞牌(しょうはい)と副賞200万円が贈られる。

 ますます深刻さを増す、この国の「貧困」の問題を、どうとらえ、いかに解決すべきか。受賞作は、この課題に正面から取り組む。貧困は、社会と政治に対する問いかけであり、その問いを受け止め、立ち向かえる強い社会を作ろう、という著者のメッセージに、選考委員全員の強い支持が寄せられた。

 贈呈式は、09年1月28日、東京・日比谷の帝国ホテルで、朝日賞、大佛次郎賞と共に行われる。


湯浅誠『貧困』は、<溜め>とか<居場所>というボキャを新設して、派遣労働者~ワーキンブプアの実態をあきらかにし、なにが彼らに必要か、を論じたレポートである。(もっとも、溜め、は使い慣れた言葉で言えば、セキュリティネットのことであり、もっと遡れば 憲法が保障する、基本的諸権利のひとつである)

私はこの著作というより、湯浅誠たちが実践している<もやい>活動に賞を与えたい。政治や企業、マスゴミがかれらの行動から<モラル>を脱落させている今、貧困層にとって、<もやい>が繰り広げている活動は希望の星となっている。

同じ人間として生まれているのにどうしてこういう苦しみを味わわなければならないのか。この給与では生活できない、子供を抱く気にもなれない。死にたい。。。<もやい>が手を差し伸べているのはこういう叫びをあげている人たちである。 こういう境遇のひとたちを生み出したのは誰の責任か?

大量の解雇者を出しながら、正社員や役員の給与賞与はカットするでもなく、株主への配当は増額し、かつ、史上最高の内部留保を計上しながら、「内部留保を切り崩してまで派遣の雇用を守ろうとはおもわない」とシャーシャーとうそぶくトヨタの経営陣。

<合法的>であれば人の命を奪っても見て見ぬふりをする人間たちを経営者として奉ずるのが現代の日本流経営である。その<法律~派遣法>とは、産業界~ケーダンレンがカネで、国会議員と政府を買収して立法化されたモノである。




なお、特筆すべきこととして。。。今回、大佛次郎論壇賞とともに、<反=社会>賞が、貧困層を生み出した元凶である ケーダンレンに対して授賞され、副賞として<反=賞金>2000億円を解雇された労働者支援活動に支払うことを課された。本来、派遣労働者に対して支払われるべき金額の一部として、である。 関係者による続報によれば。。。経団連組長~御手洗氏は受賞を拒み、<反=賞金>支払いも拒否しているとのことである。同時に<反社会的=無作為>賞が、 衆参両院議長ならびに代々の厚労大臣、さらに、<派遣法>をみとめた既成労組に授与されたが、いずれも受賞を拒んでいるらしい。




<もやい>とは:
http://www.moyai.net/


トヨタ赤字の意味するもの トヨタ・キヤノンは市場から撤退せよ
http://furuido.blog.so-net.ne.jp/2008-12-23
これが人間の住む国か
http://furuido.blog.so-net.ne.jp/2008-12-17
トヨタ車をボイコットせよ 経団連は民主政治の敵である。
http://furuido.blog.so-net.ne.jp/2008-11-17

祝・開村 派遣村@日比谷公園
http://furuido.blog.so-net.ne.jp/2008-12-31

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コメント 2

whitered

面白いですね。湯浅誠さんの受賞とケーダンレンの<反=社会>賞。『反貧困』は買って読みたいと思います。<反=社会>賞は、一般大衆が考える契機になっていいかもしれません。
by whitered (2008-12-28 17:06) 

熊野別当

古井戸さん、あなたは21世紀日本のカーライルと言うべきかもしれません。間違ってるかもしれませんが。
私は会社のサバイバルにエネルギーを注力してますので時々しかこの古井戸さんのウェブは見れてませんが、その倫理判断の高さにいつも敬意の念を抱いてます。
加藤さんが亡くなられて何とも言葉もありません。でも「九条の会」と多くの著作を遺されました。その精神には著作とその行動を通じて触れるこることができると思います。感じられる人には・・・。「敵の屍は芳し」で彼の死を喜ぶ人も多いでしょうし、「マスゴミ」の黙殺も彼の存在の大きさを物語っていると思います。彼が生きて実践した人権の尊重、独立自由の精神は永遠に生き続けるでしょう。

by 熊野別当 (2009-01-07 00:46) 

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