名ばかり「管理職」と 教育問題 官僚の無作為と干渉 [Tragedy]
NHKで続けざまに興味深いドキュメントをみた:
1 新BSディベート 「どうなる科学技術立国ニッポン」 3/30
http://www.nhk.or.jp/bsdebate/0803/index.html <-ディベート参加者の主張が要約されている。
米国(MITの日本人教授)とフィンランドからもリアルタイムの参加があった。
2 NHKスペシャル 「名ばかり管理職」 3/31 NHK総合
http://www.nhk.or.jp/special/onair/080331.html
問題としては「名ばかり管理職」の方が遙かに重要だが、1についてフィンランドから面白いコメントがあったのでそれだけ述べておく。
日本の小中学校高校の先生の忙しさ、である。教室の授業の準備の他に、学校運営上の雑務が多く、しかも、クラブ活動の面倒もみなければならない。ある中学の先生(女性)が言うことには一日座るヒマがない、万歩計をつけているが毎日1万八千歩くらいになる、と。これに対するフィンラント参加者のコメント。フィンランドでクラブ活動のケアもしろ、と先生に言えば、ストライキになる、と。フィンランドの教室当たりの生徒数は20人。日本は40人。 これでは勝負にならない。フィンランドでは小学生であっても教師になるには修士課程が必要であり(医者と同じで生涯を教職に捧げるなら習得内容が多いのは当然のことだ。企業、などのように<社内教育>を期待できないのであれば、なおさら)、厳しい教育実習も課される(指導監督付き、である。フィンランドではこの段階で辞めていくひとも多い、ときく。日本の場合、適性審査が甘すぎるのじゃないか?)。愛情と同時に、理論的裏付けが必要と言うことである。国家の教育予算も日本とは桁が違う。ニッポンの教育予算はいまでは先進国の中ではどん尻、である。 これで なにができるというのか。 しかも、国家官僚の教育に関する干渉はこうるさい。教科書検閲もある。 トーブン希望はない、とあきらめたほうがよかろう。
山根一真がのべていたが、理工系についていえば、電気など目に見えないモノを教えるのが苦手な先生が多い、と言っている。しかし、理科系の授業を担当するなら自分でしっかり、電気(化学、生物、などなど)とは何か、を納得していなければならない。納得せずに生徒に教えられるわけもない。理科を担当するなら自分で教科書くらい書けるようでなきゃ、教えてはいけないのだ。そのために、大学で学ぶんだろう?5年でも6年でも、10年でも、納得して教えられるようになったあとで、教職について欲しいモノである。
教育に関しては金は出さない、口は出す。 労働に関しては、労働基準違反には寛容で企業には指導だけしかやらない。その帰結が、過労死と、若年層の貧困である。
NHKスペシャルでは、ある全国チェーンのコンビニで一般社員から店長(正社員=名ばかり管理職店長以外はすべて非正規雇用従業員)に格上げされた若者の勤務スケジュールを見せた。
勤務開始時間 終了時間
7:45 --- 7:24 ー> 24時間勤務
8:55 --- 8:05 ー> その翌日、1時間睡眠をとっただけでまた24時間勤務
8:15 --- 1:14
(以下略)
このデータを放置、何の対策も打たない会社には強制的に廃業、清算を命じるべきである。
まるで奴隷企業、殺人会社である。これがニッポンで、全国チェーンを展開しているコンビニの実態なのである。150年前のロンドンの貧民街、長時間労働や児童労働があたりまえのように行われていたが、ロンドンの工場主も現在のニッポンの みなし管理職者の 実態を見たらひっくり返るであろう。 このコンビニ店長は入社したてのころの給与は32万円、半年で店舗の運用もよくわからないのに管理職にされた直後の給与は、↑の連日24時間労働をやっても23万円である。
日本史、世界史の、どの時代であってもこれほどのキツイ、非人間的(ロボット的)労働を課された労働者はいないだろう。コンビニやファミレスはすべて、<深夜営業を禁じる>と規制しなければ、奴隷労働は解消しないのか?
番組では過酷な勤務が原因で倒れ、現在両親が法廷闘争中の 松元洋人さん(過労で意識不明になっている)の家庭を紹介。ご両親の意見も伝えた。
松元さんは両親が付きっきりの車椅子生活に入っっている。将来はどうなるか。家庭崩壊である。これは他人事ではないのだ。
NHKは過労死や非正規雇用者にたいする賃金ピンハネ問題などを取り扱っているがいっこうに改善していない。当然である。国家が企業を厳しく監視し、違反企業には罰則を加えるなどの措置をとっていないし、立法化もしていないのであるから。
給与を落とすために、一般社員は何の実体も伴わないのに管理者に格上げされ、こき使われる。これを、企業はもちろん、国家が放置している。
150年前のロンドンの労働者(上記)や、米国の奴隷でもやらなかったろう連続24時間労働で、人間を動物扱いにしているのがニッポン企業である。これを放置しているのが、経団連などの業界、官僚~政治屋である。
こういうやつらのことだから、「教育問題」 といっても、「企業にとって役立つ人間の育成」 としてしか目に入らない。
3/31毎日新聞の社会面(30面)に小さな記事が載っていた。
■ インドの受験生自殺06年だけで5857人インドで大学や高校入試を前にストレスに耐えきれず自殺する生徒が増加傾向にある。地元紙によれば受験がらみの自殺は06年だけで推定5857人。就職に有利な理工系を中心に競争が激化していることが背景にある、と。
出口はあるのだろうか?
税金収奪者たるコッカ官僚に対決し、人間のしあわせとはなにか、を、個人が考えていくしかない。
名ばかり管理職関連情報:
名ばかり管理職の実態 日経
http://www.nikkeibp.co.jp/feature/080304_nominal/
マクドナルドだけではない。
http://diamond.jp/series/nagasawa/10015/
名ばかり管理職110番
http://www.news.janjan.jp/living/0802/0802110611/1.php
マクドナルド判決 西日本新聞社説 人を人として扱え
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/column/syasetu/20080204/20080204_001.shtml
それでも、マックを喰いたい?
一昨年書いた記事だが。
キヤノン製品を買うな: http://furuido.blog.so-net.ne.jp/2006-12-12
1 新BSディベート 「どうなる科学技術立国ニッポン」 3/30
http://www.nhk.or.jp/bsdebate/0803/index.html <-ディベート参加者の主張が要約されている。
米国(MITの日本人教授)とフィンランドからもリアルタイムの参加があった。
2 NHKスペシャル 「名ばかり管理職」 3/31 NHK総合
http://www.nhk.or.jp/special/onair/080331.html
問題としては「名ばかり管理職」の方が遙かに重要だが、1についてフィンランドから面白いコメントがあったのでそれだけ述べておく。
日本の小中学校高校の先生の忙しさ、である。教室の授業の準備の他に、学校運営上の雑務が多く、しかも、クラブ活動の面倒もみなければならない。ある中学の先生(女性)が言うことには一日座るヒマがない、万歩計をつけているが毎日1万八千歩くらいになる、と。これに対するフィンラント参加者のコメント。フィンランドでクラブ活動のケアもしろ、と先生に言えば、ストライキになる、と。フィンランドの教室当たりの生徒数は20人。日本は40人。 これでは勝負にならない。フィンランドでは小学生であっても教師になるには修士課程が必要であり(医者と同じで生涯を教職に捧げるなら習得内容が多いのは当然のことだ。企業、などのように<社内教育>を期待できないのであれば、なおさら)、厳しい教育実習も課される(指導監督付き、である。フィンランドではこの段階で辞めていくひとも多い、ときく。日本の場合、適性審査が甘すぎるのじゃないか?)。愛情と同時に、理論的裏付けが必要と言うことである。国家の教育予算も日本とは桁が違う。ニッポンの教育予算はいまでは先進国の中ではどん尻、である。 これで なにができるというのか。 しかも、国家官僚の教育に関する干渉はこうるさい。教科書検閲もある。 トーブン希望はない、とあきらめたほうがよかろう。
山根一真がのべていたが、理工系についていえば、電気など目に見えないモノを教えるのが苦手な先生が多い、と言っている。しかし、理科系の授業を担当するなら自分でしっかり、電気(化学、生物、などなど)とは何か、を納得していなければならない。納得せずに生徒に教えられるわけもない。理科を担当するなら自分で教科書くらい書けるようでなきゃ、教えてはいけないのだ。そのために、大学で学ぶんだろう?5年でも6年でも、10年でも、納得して教えられるようになったあとで、教職について欲しいモノである。
教育に関しては金は出さない、口は出す。 労働に関しては、労働基準違反には寛容で企業には指導だけしかやらない。その帰結が、過労死と、若年層の貧困である。
NHKスペシャルでは、ある全国チェーンのコンビニで一般社員から店長(正社員=名ばかり管理職店長以外はすべて非正規雇用従業員)に格上げされた若者の勤務スケジュールを見せた。
勤務開始時間 終了時間
7:45 --- 7:24 ー> 24時間勤務
8:55 --- 8:05 ー> その翌日、1時間睡眠をとっただけでまた24時間勤務
8:15 --- 1:14
(以下略)
このデータを放置、何の対策も打たない会社には強制的に廃業、清算を命じるべきである。
まるで奴隷企業、殺人会社である。これがニッポンで、全国チェーンを展開しているコンビニの実態なのである。150年前のロンドンの貧民街、長時間労働や児童労働があたりまえのように行われていたが、ロンドンの工場主も現在のニッポンの みなし管理職者の 実態を見たらひっくり返るであろう。 このコンビニ店長は入社したてのころの給与は32万円、半年で店舗の運用もよくわからないのに管理職にされた直後の給与は、↑の連日24時間労働をやっても23万円である。
日本史、世界史の、どの時代であってもこれほどのキツイ、非人間的(ロボット的)労働を課された労働者はいないだろう。コンビニやファミレスはすべて、<深夜営業を禁じる>と規制しなければ、奴隷労働は解消しないのか?
番組では過酷な勤務が原因で倒れ、現在両親が法廷闘争中の 松元洋人さん(過労で意識不明になっている)の家庭を紹介。ご両親の意見も伝えた。
松元さんは両親が付きっきりの車椅子生活に入っっている。将来はどうなるか。家庭崩壊である。これは他人事ではないのだ。
NHKは過労死や非正規雇用者にたいする賃金ピンハネ問題などを取り扱っているがいっこうに改善していない。当然である。国家が企業を厳しく監視し、違反企業には罰則を加えるなどの措置をとっていないし、立法化もしていないのであるから。
給与を落とすために、一般社員は何の実体も伴わないのに管理者に格上げされ、こき使われる。これを、企業はもちろん、国家が放置している。
150年前のロンドンの労働者(上記)や、米国の奴隷でもやらなかったろう連続24時間労働で、人間を動物扱いにしているのがニッポン企業である。これを放置しているのが、経団連などの業界、官僚~政治屋である。
こういうやつらのことだから、「教育問題」 といっても、「企業にとって役立つ人間の育成」 としてしか目に入らない。
3/31毎日新聞の社会面(30面)に小さな記事が載っていた。
■ インドの受験生自殺06年だけで5857人インドで大学や高校入試を前にストレスに耐えきれず自殺する生徒が増加傾向にある。地元紙によれば受験がらみの自殺は06年だけで推定5857人。就職に有利な理工系を中心に競争が激化していることが背景にある、と。
出口はあるのだろうか?
税金収奪者たるコッカ官僚に対決し、人間のしあわせとはなにか、を、個人が考えていくしかない。
名ばかり管理職関連情報:
名ばかり管理職の実態 日経
http://www.nikkeibp.co.jp/feature/080304_nominal/
マクドナルドだけではない。
http://diamond.jp/series/nagasawa/10015/
名ばかり管理職110番
http://www.news.janjan.jp/living/0802/0802110611/1.php
マクドナルド判決 西日本新聞社説 人を人として扱え
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/column/syasetu/20080204/20080204_001.shtml
それでも、マックを喰いたい?
一昨年書いた記事だが。
キヤノン製品を買うな: http://furuido.blog.so-net.ne.jp/2006-12-12
2008-04-01 10:59
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コメント(3)
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こんにちは。拙ブログへトラックバックいただき、ありがとうございます。
「名ばかり管理職」についての記事、同感です。
ファストフード店やファミレスは、なるべくご遠慮したいと思ってます。
マックは全然食べないことにしてます。
すき屋にも行かないことにしてます。
そういうことで解決するとも思いませんが、
消費者は怒ってるんだぞ、ということのメッセージとしての行動です。
by 明子 (2008-05-12 22:57)
食べない。。という形の消費者運動(従業員を支援)としては、あり、なのでしょうが。
ここまで、殺人的な環境を放置している 経営者や厚生官僚はもとよりヒトデナシ、であるし、経済学者や法学者、国会議員も本来なら、懲罰もの、減給10年。退職勧告。
by 古井戸 (2008-05-15 11:55)
トラバの返コメです。
経営者の良心というものがなくなっている結果でしょう。
なくなっているというか、経営者の資格や人間としての良心のないものが経営をしているといっていいでしょうね。
コンビニ、ファミレスのこき使われ方、異常です。
国の責任が大ですね。
by basukeiei (2008-06-27 11:25)