次世代に何を残すか パラダイム・チェンジのとき [IT]

取材に訪れた江川紹子を、自転車にのって駅頭に出迎えたヒルマン市長@独・ミュンスター市
ドイツでは電力消費量総量の40%を自然エネルギに変える、という国家目標を立て、環境保護製品を製造するメーカに積極的に財政支援している。
江川紹子が取材に訪れたある農村(ユーンデ村、人口800人)では牛や豚など家畜の排泄物から発電することによりその農村では使用しきれない電力を生産し、余剰を電力会社に販売し、発電所で発生する温水を農家に配り暖房に使用している。電力会社はこの電力を購入することを法律で義務づけられている。民間で生産する電力エネルギのコストは電力会社の製造コストを当然ながら上回るが、かかった経費は法律により、全額が返還されることになる(買い取り期間は20年間が保証されている)。税金で補助、といってもその税金は国民が最終的に払っているのであるから、この制度は(官僚ではなく)ドイツ国民の意思といってよい。


「俺たちのウンチで発電しとるんじゃけ、エサ、糞発してくれぃや」

ユーンデ村・村長アウグスト・ブランデンブルクさん: 「村は一つの会社である。わたしたちは企業経営の精神でやっている。今の世代のことではない、子供や孫の世代のことを考えているんだ。今後太陽光発電や太陽電池の導入も計画している」 村民の出資を募って興した事業、2年目の去年、早くも黒字になり、近いうちに配当も出す。ユーンデ村の事業を支えたのは、事業を提案した地元の大学、政府の支援、それに創業資金を拠出した村民たち。とりわけ、村長の強い意志、イニシアチブである。

太陽エネルギ製品はニッポンメーカの独壇場であり、市場占有率も他国を圧していた。しかし、ドイツは積極的に企業支援を行い、ドイツの代表的な太陽電池メーカであるQ.Cellは数年で日本のシャープを追い抜いて世界一の企業となる。ドイツでは毎年2000人の太陽エネルギ関連技術者を国家予算で養成してビジネスに送り出している。
政府のイニシアチブが市場をリードしなければ環境保全は成立しない、ということは明らかになっている。もちろん、民主主義国であり、経費は最終的に国民の税金でまかなうのだから、国民の意志がなければなにもできない。
ジャーナリスト江川紹子はドイツの環境保護最先端を行く都市であるミュンスター市を訪れた。駅前で江川昭子を出迎えたのは自転車にのってやってきたヒルマン市長である。市の人口は28万。ドイツ一の自転車の街。登録自転車の台数は40万。徹底した分別ゴミ対策はもとより、住宅の太陽光エネルギ化に要する工事には市からの補助が出る。市はリフォーム相談に応じている。年金生活者も限られた予算で、後の世代のために毎年少しずつ工事を進めている。
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IPCC報告によれば2030年には北極の氷はすべて溶けペンギンも白熊も消えてしまう。これはすでに既定事実である。ポイント・オブ・ノー・リターンを既に越えてしまったのだ。強力な環境政策はペイしないか?いま支払っておかないと、将来、一桁フタ桁も多い金をつぎ込まないと元の自然は戻らないのではないか、という計算がある。このまま放置すれば、台風・ハリケーンの規模も強度も拡大し、砂漠化が進み、大雨洪水により農地緑地国土は失われ、産業と社会や家族の破壊にいたり、難民が発生し、世界のあちこちに紛争が起きる。自然破壊から人間の破壊に至る道である。環境問題は安全問題である。これを危機、と予感できるかどうかは集合体としての人間の、感度の問題であり、国家事業、国際間協調事業として取り組むかどうかは、すなわち人間世界の教育と政治の問題である。経済やビジネスの問題ではなく、地球の歴史~人間文明の行く末、の問題であり、人間の技術と欲望が地球を破壊するまでに至ったことの自覚の問題である。地球や人間を滅亡させるのは戦争・核兵器だけではない。
IPCC: 気候変動に関する政府間パネル (Intergovernmental Panel on Climate Change)
ニッポンはすでに環境政策後進国、として世界の誰からも相手にされない国になった。いまCO2排出量のもっとも多い国は、米国、中国、インドである(もっとも、一人当たりでは米国がダントツ、インド中国は人口が一桁多いため一人当たり排出量は米国や日本より一桁少ない)。中国は発展途上国として排出量目標額も定められておらず、先進国から環境技術の無料提供を受け、その技術で製品をつくって先進国に売り込む、というシタタカサである。
国民がセッセと支払った年金さえ管理できず、官僚の過失により薬害被害にあった国民に長年謝罪も賠償もしない国、800兆も国家財政赤字があるのにどこ吹く風と、仕事もないのに数百もある独立行政法人に天下りをヤラセ退職金2億円、毎年、税金三兆円をドブに捨てる官僚国家、このような犯罪的行為をチェックもできない国会議員。そういう議員を選出する国民。150年続いた私利私権追求官僚国家の伝統は十年百年で消えることもあるまい。
一国のマネージメントもできない(能力も志もない)輩に<地球のマネージメント>などできるわけがない。
さて、ニッポンは何を子供や孫の世代に遺すのかのぅ。オノオノガタ。百歳まで生きる要介護老人達(アタシもその中の一人、ゴメンして)、財政赤字、それに、官僚制(<= 世界遺産登録済み)だけ、というのもサビシイね。
追記:
さきほど、ひょいと、TVを見ていたら、マチムラ・カンボー長官が、。。
「。。数値目標をかかげることがそれほど重要か?」
。。。と宣うていた。誰がバカに注射するんだろう?
******** 情報源 (画像も)****************************************
正月に放映されたNHKの、地球特派員スペシャル『カーボンチャンス~温暖化が世界経済を変える』
http://www.nhk.or.jp/bs/tokuhain/
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NASA宇宙研究所HP
研究所の所長ジェームス・ハンセン博士は80年代に地球の温暖化を指摘した。http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/stopglobalwarming/12475.html

地球表面の平均温度は14℃である。グラフの横軸は時間(左端が1880年、右端が2000年)、縦が温度。1900年初頭から1900年代半ばにかけて平均地表温度は0.8度上昇し、この状態がしばらく続いたが、1980年から急激に上昇が激しくなった。これは大気中の二酸化炭素濃度が上昇したため、と博士は推測している。このまま気温が上昇を続けると、2100年にはいまより 2.7℃上昇する、という。
James Hansen
博士は休日を利用して全米で講演し、個人の立場で地球温暖化の危機を訴えている。


その他関連記事:
http://www.news.janjan.jp/world/0707/0707078546/1.php?action=all&msg_id=29411&msg_article=68548
(以後見つけたら、その都度追加していきます)
環境戦略を伝えるドイツ連邦共和国HP:
http://www.german-consulate.or.jp/jp/umwelt/politik/index.html
↑内容を読むと、ほれぼれするような記述。ドイツの環境への取り組みが何十年も前から始まっていることがわかる。ドイツが、この十年世界で唯一CO2排出量を減少させている国であるのも頷ける。
『ドイツの基本戦略』のページを引用する:
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| ドイツの戦略 | |
| ドイツの環境保護の歴史と3つのファクター | |
| 環境保護の目的 1994年ドイツ政府は国民に対し極めて重大な約束をしました。それは国が「次世代のために自然を守る責任がある」ことをドイツ基本法(日本の憲法に相当)第20条aに加え、保証したことです。国民にとって非常に重要なこの条項は、その後のドイツ環境保護政策の方向性を明示したといっても過言ではありません。 ドイツがいわゆる「環境先進国」と言われることにもなった最近の廃棄物処理をはじめとした自然・景観保護、気候変動防止、水質保全、土壌保全、大気汚染防止、危険防止、騒音防止、放射線の分野における環境関連法の制定は、環境保護の真の目的である「自然はもとより、人間や生き物の生活基盤を守り、地球環境を守り次世代につなげる」ための手法なのです。 「持続可能な発展」-ドイツの対応 ドイツは世界的に見てもハイレベルな環境保護政策を実行しています。その契機となったのは、まず1969年から1970年にかけてルール工業地帯で発生したばい煙による大気汚染でした。当時のブラント政権は選挙用スローガンの「ルールに青空を」を推進、これを機に環境保護運動が国内に広がりました。ドイツ連邦政府は1970年に動植物の生態を守ることを決めた「環境保護計画」を発表しました。この「環境保護計画」では、第一に健康で人間らしい生活をするために環境を守る、第二に大気・土壌・水質・動植物の生態系を人間の乱獲から守る、そして第三に人間の乱獲による破壊や損失を排除するということが謳われています。 次に、1972年にストックホルムで開催された国連環境会議でローマクラブ編纂の「成長の限界」が発表されてから環境に対する意識は変わりました。世界の人口は増加の一途をたどり、環境は汚染され天然資源が減少するという状況下では、今後100年以内に地球上の経済成長が限界に達する、と予測したローマクラブの報告は、少なからず欧州の政治家や市民、そして経営者に衝撃を与えました。それに加えて、深刻な大気汚染が国内で報告されはじめたことも国民の意識を環境保護、及びエコロジー的な生活基盤の形成へ向かわせました。しかし、当時はまだエコロジーはエコノミーの対極に位置して、むしろ経済成長にブレーキをかける“やっかいもの”という認識が強く残っていました。 一方的な自然収奪を繰り返す経済活動ばかりでなく、その経済活動の中に環境保護を組み込んでいく、いわゆる「エコロジーとエコノミーの共生」が可能であることに人間が気付くまでに20年ほどの歳月を要しました。私たちには、今、天然資源の利用を最小限にとどめながら、環境汚染を低減していくことが求められています。 20年後の1992年にそうした内容を「持続可能な発展」という言葉で表し、リオデジャネイロで開催された国連環境開発会議の共同宣言として発表しました。これは各国がその促進に共同責任を持つという世界に対する政治的なアピールでした。 これを受けてドイツ連邦政府は1970年初頭以降、主要な環境保護分野の9項目において徐々に進めてきた環境保護の法体系をさらに整備・強化しました。
重要な3つのファクター 「持続可能な発展」を実現させるためには、エコロジーに配慮した社会システムの構築と適度な経済成長、そして充実した社会保障システムに基づく社会の安定化という三本柱の調和が重要なファクターとなります。 現代社会は経済的基盤がなければ成り立たないのはもちろんですが、今は経済活動のあり方が問われているのです。産業界は環境保全を企業の経営に取り入れるいわゆる“環境経営”を実践して、経済成長と環境保護をリンクさせ、さらに地球環境を守る技術や手法を提供します。国は法規制でそれを誘導し、消費者は環境行動でサポートします。経済活動は、もう一つの要素である社会の安定化にも大きく寄与しています。社会の安定化には医療・介護保険の整備、年金制度の確立と資金の確保、雇用の確保など社会保障制度の充実に加え、犯罪の防止など多くの要因があります。現代社会が安定し、成熟していかなければエコロジーへの対応どころではなくなり、経済成長最優先型の社会構造から脱却できません。地球温暖化で先進国と途上国の間で論争になるのはまさにこの点です。今まで20%の人口を占める工業国が地球の資源の80%を利用して得られた繁栄を、今度は途上国が同じように追求するのも当然なことかもしれません。解決策を見つけるのは容易ではありませんが、途上国への環境保全のための資金援助とともに、環境技術・機器の提供も問題解決に有効です。 この三つの要素のどれが欠けても、持続可能な発展は実現しないため、それぞれを巧みに誘導しなければなりません。ここで明らかなように、ドイツの環境政策の目的は、厳しい法規制によって企業に環境保全への対応を迫り、ドイツ独特の社会的市場経済の中でエコロジーとエコノミー、それに社会の安定化を一体化させることです。経済活動のすべての段階に、環境保護の考え方が取り入れられていることがその特徴です。このようなプロセスを経て「持続可能な発展」が段階的に実現します。 |
借金時計@ニッポン
http://www.takarabe-hrj.co.jp/clock.htm




こんばんは。8日付けの記事、感慨深いものがありました。同じ敗戦国でありながら、ドイツと日本の取り組みとでは、大きな違いがあるようですね。私も十数年くらい前から、エコロジー経済学という分野があってもいいのではないかと思い続けてきました。でも、思っていることとやってることがばらばらで、電気つけっぱなしにしてたり、寒いと暖房をつけ、暑いと冷房にたより、自分の生き方が徹底していないので反省することしきりです。ドイツ領事館のHP、印刷してじっくりと読んでみます。年末だったか、朝日新聞に徳島ともう一ヶ所、風力発電の風車が倒壊したとの報道がありましたね。日本の強い風に合わなかったとのコメントがありましたが、日本の風土にあったものを開発していかないとダメだと思います。まだまだ始まったばかり、環境政策にもっと本腰で予算もつけるべきですね。
by whitered (2008-01-13 22:03)
あの風力発電の鉄塔の倒れ方は誠に奇妙でした。
調査報告がすでに出ています。
記憶によれば、あの日、風速が計算値以上に大きいため(回転が上がって危険)、発電を止め羽根を風の方向と並行にして強風を回避しようとしていた、その過程で誤って、回転をやめたのにモロに羽根が風を受ける姿勢になり、計算値を遙かに上回る圧力が柱に掛かって、
ポッコン
と折れてしまった。
。。ということだったと思います。いずれにしても、恥ずかしい。
by 古井戸 (2008-01-13 23:21)
トラックバックありがとうございます。大変参考になりました。さっそく私たちのブログで紹介させていただきました。今後ともよろしくお願いします。
by アース (2008-01-15 22:02)