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尻尾を振るな振らすな [魂]

 

                               

2008年、元旦。快晴。

暖かいので近所の公園を一周した。 

 

  

 

      

 

                               

 

夕方から去年撮りためた録画番組を観た。去年相次いで亡くなった小田実、城山三郎の追悼番組など。NHKでこの夏放映したのは『城山三郎 昭和と格闘した作家』

http://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2007/0812.html

城山は3月22日、79歳で亡くなった。病名、間質性肺炎。

城山三郎は終戦間際の1945年、愛知県立工業専門学校に入学、理工系学生であったため徴兵猶予になるも海軍に志願入隊した。このとき17歳。復員後、自宅に戻っても家族が本人と判別できぬほど痩せこけていたという。

組織と抗う人間を描き、晩年も報道の自由を規制する法案の廃棄を目指して闘った(番組によれば首相官邸に乗り込んで小泉首相に直訴したそうだ)。

番組の最後に、城山の書いた詩、『旗』を紹介した。

 

『旗』


旗振るな
旗振らすな
旗伏せよ
旗たため

社旗も 校旗も
国々の旗も
国策なる旗も
運動という名の旗も

ひとみなひとり
ひとりには
ひとつの命

走る雲
冴える月
こぼれる星
奏でる虫
みなひとり
ひとつの輝き

花の白さ
杉の青さ
肚の黒さ
愛の軽さ
みなひとり
ひとつの光

狂い
狂え
狂わん
狂わず
みなひとり
ひとつの世界
さまざまに
果てなき世界

山ねぼけ
湖しらけ
森かげり
人は老いゆ

生きるには
旗要らず

旗振るな
旗振らすな
旗伏せよ
旗たため

限りある命のために


 

             

 

この詩は、やや甘いところがある。次のように変えてみた。

 

尻尾を振るな

尻尾を振らすな

なめるな、なめられるな

人は主権者にして独立ジン

国に主権ありて独立国家なり

人は人の上に人を作らず

人の下に人を作らず

国家は他国を支配せず

他国の下に隷属せず

犯さず犯されず犯させず

武力で他国を侵略せず、恫喝せず

他国の恫喝におびえず

 

世界の同時代人のため

子孫のため正義のため

 

この詩をNHKと報道機関、官僚、政治屋に送る。

(日本国憲法)

第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第14条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

第18条 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

第19条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

 

 

わたしは城山三郎の作品はほとんど読んでいない。60年代に新潮文庫『総会屋錦城』(たしか城山のデビュー作)を読んだ切り、である。<東京裁判でひとり沈黙を守り、文官として唯一死刑判決を受けた広田弘毅。。>を描いたという 『落日燃ゆ』が気になる作品であるが未読。広田弘毅に同情的なのが読みたくない理由。昨年末、文庫化された。。

   大杉一雄『日中戦争への道 満蒙華北問題と衝突への分岐点』 (講談社学術文庫 1846)

によれば、広田や近衛首相には政治責任がある、日中間の<事変>不拡大のチャンスがあったのに、かれらの不作為により軍部の暴走を招いた、としている。(10年前の中公新書の再刊)。昨年、NHKスペシャル『A級戦犯は何を語ったのか?』によると、東京裁判では沈黙を守ったという広田弘毅もGHQのA級戦犯取り調べ@スガモプリズンに対してはずいぶん多弁であったらしい(東條はもとより多弁)。GHQの前で、ではなく、国民に対して政治家(軍人も、だが。いうてもしょうがない)は少なくとも説明責任がある。スガモにおけるGHQのによる取調べ証言集は読みやすい価格で出版すべきである。

                    

城山に生きていてもらい、この広田証言集とおのれの作品を照合して欲しかった。NHKは懲りもせずに視聴者からかき集めた多額の金をつぎこんで、クッダラナイ<大河ドラマ>など製作するのはやめ、そろそろ、半世紀前の戦争、その前後になにがあったのか、本格検証をやるべきではないか。<旗を振り続けた>責任の一部を、<旗を振らずに>果たすべきじゃないのか。

 

 昨年は、『偽』が露見した年、であった、というが。。明治の始まりから、ニッポンの歴史は成り上がり官僚+天皇による私権追求の歴史、『偽』国家の歴史であった。敗戦によってもこの私権追求制度は揺らいでいない。

 

 

今年は、。。小田実の仕事でも読み返しながらユルリユルリと過ごそう。

 

 

 

      

          我が愛する故郷、志和盆地@日本国、東広島市


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大阪のひでちゃん

  お久しぶりです。
  mixiで古井戸節を拝見できないのが残念です・
by 大阪のひでちゃん (2008-01-02 18:18) 

死ぬのはやつらだ

TBありがとう。

広田弘毅に関しては、いろいろ言われているけど、唯一の文官死刑者で、他の軍人よりは、「ぐたぐた言わなかった」点は、評価に値すると思うよ。
美化することもないけどね。
遺族の方々も、靖国に関しては、東條などの遺族と違って慎重で批判的なのも好感を持てる。
by 死ぬのはやつらだ (2008-01-02 20:59) 

古井戸

ひでちゃん。
日記を書きすぎ頭が混乱してきました。少しお休みして、また、再開します。
     昔の名前~で、出るつ~も~り~♪

死ぬのは、さん。
グダグダいわなかった、のは善し悪しですね。
見識のある人物ではあったのだろうが。政治家とは何か、。。
何を政治家に求めるのか、の差だと思います。国民に責任を負わず、天皇にのみ責任を負う時代に、国民への説明責任を求めてもしょうがない、のであろうから、天皇制の倒れるのは必然。

官僚や官僚制支持者が天皇=君主制、国体を求めるのは当然ですね。
by 古井戸 (2008-01-04 13:10) 

川中紀行

この度はトラックバックありがとうございました。

志願して出兵し壊れた武器を持たされながらも生きぬき、
青春時代をシベリヤ抑留に奪われた我が父の経歴を見るまでもなく、
戦時、国家は国民を守ってはくれません。

私はイラク戦争を支持した日本国民に強い不信を抱いていますが、
それよりもなお、外務省のお粗末さに不安をつのらせます。
米国大統領選の民主党オバマ候補勝利で、恨みに支配されたこの
地球に新たな流れはやってくるのでしょうか。
by 川中紀行 (2008-01-04 13:32) 

古井戸

>イラク戦争を支持した日本国民に強い不信。。。

ニッポン国民は日比谷事件を起こしたニッポン国民でもありますからね。
外務省は米国のニッポン出張所と化しています。海外領事館は宮内庁出張所。

ニッポンの存在感はすでに世界でも、アジアでも、失せています。

オバマの勝利@アイオワ。。は、ブッシュがゴアに勝ったときとチョイと似ていると思います。ヒラリーは調子に乗りすぎましたね。経験もないくせに、経験をウリにするなんて。最近のヒラリーの絶叫超演説は、このひとノーターリンじゃなかろうか?と。。国民に心配させたんだと思います。
by 古井戸 (2008-01-04 15:48) 

大阪のひでちゃん

  お元気なので安心しました。
  復帰の折りは是非仲間に加えてください。  
by 大阪のひでちゃん (2008-01-06 12:10) 

哲人

>ニッポンの歴史は成り上がり官僚+天皇による私権追求の歴史、『偽』国家の歴史

まぁ、今に始まった事じゃございませんが、、、
歴史を遡れば弥生時代からこんな有様。
どんな人間も、天皇に近づく者は排除し、悪人扱いをする。
アレ?そう言えば、弓削道鏡の時もそうじゃなかったっけか?
あぁ、なるほど。
日本は結局の所、似非象徴国家だったって訳ですね?
天皇は結局権力なんて最初から持っちゃいねぇ。
単なる傀儡だったわけですか。
鉄人28号みたいな感じですかねぇ。ある時は悪魔の手先、、、って、今までずっと悪魔の手先だけどね。
天皇が純日本人なんて風説が流布されて、その虚偽情報を鵜呑みにする国民、、、こんな国に未来はあるのか?と問われれば、その答えは見えている。だから答えたくないって話なんだけど。
無類の子供好きには子育てしたくない国ですね。まぁそれ以前に子供持てる余裕なんてないけどさ。奴隷には選択権なんて無いもんね。

ウェブ上でオバマ批判が聞かれるけど、一応にも黒人の血が混じってるオバマに期待したいです。
純白人の優位主義者が政治の中枢権力を握るべきじゃないのは誰でも理解できる事ですよ。
by 哲人 (2008-01-10 15:34) 

古井戸

>単なる傀儡だったわけですか。

単なる。。ですね。
 いかに操作するか、天皇と国民を。 。。が伊藤博文等官僚の苦心であったんでしょう。これは、。。現在の、佐藤優まで連綿と続いている官僚的発想でしょう。

>ウェブ上でオバマ批判が聞かれるけど。。。

このレース、はオモロイですね。
ヒラリーの涙をせせら笑ったマスゴミの一派に憤った女性達が大量にヒラリーに注がれ、女性票が60%を占めた、といいます。

ケネディは連邦軍を動員して黒人学生の大学入学を強行に支援したが、オバマに連邦軍を動員してまで人権を擁護する、という胆力があるか?米国民がこれを支援するか。

私はオバマ支持だが、軽いですね。イノチを賭す、という気構えがないと黒人が大統領にはなれない。米国では。
by 古井戸 (2008-01-10 17:16) 

runaway

Hello. I found a very interesting book(Japanese) at a public library in Little Tokyo(Los Angels) last month.

It's titled "Why can't the Japanese love Japan?" [Japanese title: Naze Nihon-jin ha Nihon-wo ai-se-nai no-ka?]

by Karel van Wolferen, trans. Ohara, Susumu, Tokyo: Mainichi Shinbunsha, 1998.

This is so hilarious. The author rips off the corruption of Japanese Cabinet System (Kanryo-seido).
by runaway (2008-01-14 14:55) 

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