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原発震災列島~柏崎刈羽原発事故  石橋克彦の警告 [Failure]

                                   

                                 転倒、漏洩する汚染物ドラム缶@刈羽原発

                                 

 

朝日新聞、私の視点(7/26)に石橋克彦(神戸大都市安全センター教授)が投稿している。以下要約。

1  「原発震災」新指針の不備、見直し急げ 1 原発を多数建設したこの40年は幸か不幸か列島の地震活動静穏期だった。この期間、地震を甘く見る体質が政府業界学者に染みついた。 しかし、95年の阪神淡路大震災あたりから列島のほぼ全域が地震活動期に入った。 これは「想定外」の出来事ではないのだ。

2 今回、柏崎の原発は運がよかった。地震域がもう少し南で64年新潟地震(M7.5)程度だったら、原発震災になったろう。

3 地震活動期は今後40年は続くだろう。とくに危ないのは浜松原発と、福井若狭湾の原発群であり、首都圏、中京、京阪神を滅亡させる脅威を持つ。

4 既存原発の耐震設計不備は昨年大改訂されたが、まだ不備が目立つ。私(石橋)はこれに抗議して指針検討委員を辞任した。

5 東電が活断層を過小評価したことが問題になっている。しかし完璧な調査で活断層がみつからなくてもM7.3程度の直下型地震は起こる可能性はある。全国どこでもその程度の揺れを基準地震動の下限にしなければならない(新指針はそうなっていない)。これを満たさない既存原発はすべて閉鎖すべき。

 6 責任は電力会社だけではなく、それを認めたずさんな審査にある。 原子力安全・保安院に、不適格な委員が居直り続けている。保安院の審議官が耐震指針の再見直しはないとのべているが、指針は行政庁から独立・中立の原子力安全委員会の所掌事項だ。この越権的な発言は安全委員会がいかに弱体化を如実に反映している。

 

##

 原子力安全委員会に アクセスしたが、まるで官庁以上に鈍感な記事が並んでいる。おえりゃーせん。

http://www.nsc.go.jp/

7/26の朝日新聞社説は「原発の損傷:調査に時間を惜しむな」である。ピントがずれている。事態を認識していない。被災原発の調査にとどまる問題ではない。差し迫っているのは、基準のお粗末さの見直しー>全原発の閉鎖、という事態なのである。  次の大地震到来ー>原発震災、が発生した場合の逃げ口上でも考えているのではないか?   

冒頭の写真は刈羽発電所事故直後、朝日新聞に発表されたもの。汚染物質の入ったドラム缶が倒れ、一部は蓋が外れて床に漏洩したという。汚染水が格納プールから地震の揺れにより溢れ海に流出、あるいは床に流出した汚染物質を防護服を着用した作業者が布巾で拭っている様子は、数年前の東海村バケツ事故を想い出させた。あの事故も被爆死者二人を出したが、政府や議会は、国民に対して公式報告書を作成し、提出したろうか?第三者機関という安全委員会はナニを国民に説明し、釈明したのか?

 臭い物に蓋、ニッポンジンの得意技。國の破滅まで(財政破綻、であれ、年金問題であれ)得意技を行使し続けるのであろう。

 

 

以下、石橋克彦の記事を検索。

●「迫り来る大地震活動期は未曾有の国難である」衆議院予算委員会公聴会で石橋教授が原発震災を強く警告(全文) http://www.stop-hamaoka.com/koe/ishibashi050223.html

 

●ここがヘンだよ中部電力! 

 ~石橋教授の大反論~ 「阪神大震災は、いかに現代都市が大地震に弱かったかを示し、間接的には、原発近くで大地震が起きた場合の危険性を証明するものでした。しかし、私も含めて地震学者は、それをはっきりとは指摘してこなかった。そのことを私は深く反省しています。」

 http://www.stop-hamaoka.com/koe/ishibashi.html

 

原発耐震指針見直しを 石橋克彦・神戸大教授

http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000474851.shtml

 

古い記事だがこう言うのもある。

東海村シンドローム “朝日新聞がボツにした地震学者の「警鐘論文」” サンデー毎日1999/11/21  東海大地震説を初めて説いた地震学者が東海村・臨界事故に関連して書いた「警鐘論文」がボツになった。各紙の事情はあるだろう。だが、不採用を告げるはがきには学者を憤慨させる意味深な添え害きがあった──。この論文の趣旨を重要だと考え、本誌であえて掲載したい。

 http://genpatsu_shinsai.at.infoseek.co.jp/news/sm991121.html

 

参考サイト:

原子力資料情報室

http://cnic.jp/


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コメント 7

whitered

先日の中越沖地震の柏崎原発の火災映像を見て、足が震えました。何かが起こっている。地震よりもっと恐いものが・・と思いました。おかげで、その日は外出する気が萎えました。専門家が早く気付き、原発にたよっている現状の恐ろしさを、大衆に呼びかけてほしいです。
by whitered (2007-07-26 11:17) 

古井戸

火災そのものは(例えば落雷により)、建物がむき出しになっている以上防げないのでしょうが(原子炉棟は無論、落雷から保護されていよう)、おどろいたのは 何時間も燃え続けていること。所内に消化能力がないこと(これは地震とは関係なかろう?)。

それに神戸震災で耐震設計がいかにインチキかがわかったのに、震災でもっとも被害の大きい(影響は海外にも及ぶ)原発にM7級の耐震設計がないことです。

政府、産業界から独立した調査機関が国内にないのなら、海外から専門家を招いて常設の機関を市民が設立し、監視機構として認めさせるしか手がないですね。

今回の地震は想定を越えた、と何度もコメントをしているのは聞くに堪えない。いったいどのくらいを想定していたの?といいたくなる。それで、この地震の結果を受け、想定を改めて設計しなおすの(すべての原発を)?しなおさないの?
by 古井戸 (2007-07-26 11:37) 

G-NETmaster

陸地に現れた割れ目(断層)と違って、水中深くにある割れ目は確認するのが容易ではない。日本の原発は多くが立地の関係から海岸にあることが多いが、唯一の音波探査をもってしても『海底活断層』の把握は難しいといわざるをえない。電力会社が海底活断層の調査を進めるとしているが、。。。。。
by G-NETmaster (2007-07-26 12:14) 

古井戸

http://www.niigata-nippo.co.jp/pref/index.asp?cateNo=1&newsNo=1263

淡路地震以後何度も、ニッポンは全国的に巨大地震にみまわれています。安全基準への対応を、活断層の予測問題に置き換えるべきではないと思いますね。それでは安全委員会も電力会社は、つねに無罪放免になります。
by 古井戸 (2007-07-26 12:21) 

JJ

地震地震と馬鹿の一つ覚えのように言うが、「火山列島」であることも忘れてはならない。
前回富士山が噴火してから三百数十年。ひとたび噴火すれば、東海道は確実に分断され、物流が止まる。
地震と山の噴火と津波はセットだ。
by JJ (2007-08-09 16:53) 

古井戸

日本の借金時計
http://www.takarabe -hrj.co.jp/clock.htm
地方自治体の借金時計
http://www.geocitie s.jp/mkqdj167/map.ht m

地震雷火事火山津波、。。より、借金の方が恐いかも。
しかも、破綻期日は、人間が決める。
by 古井戸 (2007-08-09 17:28) 

いなかのおじさん

 原発の危機は以前よ言われていることですね。
 そしていつも発表は「安全な壊れない機械」となる。やがて時が経つと・・実はあのとき、となる。
 
 原爆被害を世界で一番知っているはずのニホンで。怖い話です。

mixi「汚染まみれ」:
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=226507169&owner_id=483269

http://homepage3.nifty.com/akaikutu/rk/rakuraku.htm
by いなかのおじさん (2007-08-11 17:04) 

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